前回はLGSの上部納まりについて、上階の床コンクリートまでLGSを伸ばすのか、それとも天井まで伸ばしておくか、という納まりパターンを紹介しました。
床コンクリートまで伸ばす場合と天井までの場合との区分は、LGS壁の仕様によって変わってくる、という話も納まりと一緒に説明しました。
LGS壁にはたくさんの種類があって、それぞれの場所によって壁に付加される性能は本当に多種多様になります。
そうした仕様によって「このLGS壁は上階の床コンクリートまでで鋼製型枠のリブも切断する」とか「このLGS壁は天井までで止めてしまってOK」などの判断をしていく訳です。
この判断によって変わってくるのがLGSの仕様。
LGSは基本的に長さによって65形とか100形などの仕様が変わってくるもので、以前紹介しましたが、65形であれば4m以下、100形であれば5m以下という制限があります。
LGSを上階の床コンクリートまで伸ばすのか、それとも天井までで止めるのか、という判断によってLGSのサイズが変わってくる事になります。
上階の床コンクリートまで伸ばす場合には100形である必要があり、天井までで止める場合には65形で済むという寸法になっていますよね。
これによって微妙ではありますが壁の厚さなどが変わってくる事になるので、どこまで壁を伸ばしていくかという判断は結構重要な要素になってくるものなんです。
もちろん必要な性能を確保することは当然のことですが、それと同時に出来るだけ部屋を広く使いたいと考えるのは設計者としてこれも当然のこと。
こうした矛盾した要望をある程度満たしていく為には、出来るだけ無駄な事をしないように細かく検討をしていくしかありません。
そうした検討をする際には「どこまでLGSを伸ばすのか」の区分をしていく事が重要になってくるので、まずはそれぞれの納まりとそれによって何が変わってくるかを覚えておきましょう。
という感じで、LGSについての説明はこれでひとまず終わりにすることが出来そうなので、次にLGSの上に張っていく材料について考えてみることにします。
LGSは基本的に455mmとか303mmなどのピッチでたてていく事になるので、LGSだけで壁を構成することは出来ません。
鉄筋コンクリートの壁やALCやECPといった壁下地であれば、表面に何の仕上もしないという「素地」と呼ばれる考え方も場所によっては可能です。
しかしLGSをたてただけの状態はこんな感じになりますから、このままの状態でで「壁です」とはとてもではありませんが言えないですよね。
LGSの上に何かを張っていく事によって、ようやく壁と呼ばれる形状になっていくことが出来るので、ここでは張っていく「何か」を調べていくことにしましょう。
LGSを立てた上に張っていくことが出来るものは結構色々な種類がありますが、その中で最も一般的な材料が「石膏ボード」と呼ばれるものです。
木だったりケイカル板と呼ばれる材料だったりと選択しは色々ありますが、施工性やコストや仕様の多彩さなどをと考えていくと石膏ボードが最も優れているという事になるんです。
石膏ボードというのは、読んだままではありますが、石膏を加工して板状にした製品で、その用途にあわせて様々な製品が開発・販売されています。
それぞれの壁仕様にあわせて選定した石膏ボードをLGSに張っていくことによって、色々な種類の壁を構築していくことが出来る、という事になります。
まずはこの石膏ボードの特徴について考えてみると、以下のような特徴があります。
・コンクリートなどに比べると軽量
・カットなどが現場で出来る為施工性が良い
・不燃性能を持っている
・石膏ボードの表層仕上は色々な選択肢がある
・比較的安価である
・水に濡れる場所には向かない
・強度はあるが1枚では割れる可能性がある
こうした特徴があるので、様々な用途の建物の内壁では、色々な仕様の石膏ボードが採用されていく事になります。
石膏ボードの特徴についての話はこのあたりで終わりにしておきます。
次回は引き続き石膏ボードに関する話という事で、石膏ボードの大きさ的な部分について色々と調べていくことにしましょう。