内壁にタイルを貼っていく納まりは、壁下地にタイルを接着貼りしていくというシンプルなものになっていて、タイルが建具に取り合う部分についてはシール納まりになる。
このような話を前回までの話では取り上げてきました。
外壁のタイルについても、アルミ建具との取合いがシールになっていたはずなので、外壁も内壁も基本的には建具まわりをシールで納めるという事になります。
このあたりの納まりは建物によって大きく違ってくるようなものではないので、基本的な納まりを覚えておけば検討がスムーズに進むようになります。
こうした知識を踏まえて、今回は引き続きタイル関連の話という事で、外壁のタイルをきちんと割り付けする具体的なやり方について説明をしていこうと思います。
建物の外壁仕上をタイルにしたい、という場合には、意匠的な問題として必ずタイル割り付けの検討が必要になってきます。
外壁タイル割付けの方針というのは、鉄筋コンクリート壁やECPの位置など、色々な部分に影響を与える事になるはずです。
後でそれを調整するのは意外に大変なことなので、出来れば事前にきちんと検討をしておき、その結果を壁下地に反映させていくというやり方がお勧めです。
という事でまずはタイル割付けの基本から。
以前も取り上げましたが、タイルというのはあらかじめ決められたサイズで製造・販売されている商品なので、そのサイズを優先させなければなりません。
もちろん300mm×300mmのタイルを全て270mm×270mmにすることは、タイルを切れば良い話なので可能ではありますが…
全てのタイルを切るのはかなりの手間になりますし、切った残りのタイルはサイズ的に使えないという事もあるので、コストを考えるとやめた方が良いでしょう。
それならば、もともと設定されているタイルの大きさを生かして、それが綺麗に並ぶようなレイアウトを計画した方が話が早い、という事になります。
タイルのサイズありきで考えて、そのサイズが綺麗に並ぶように計画をしていく、という考え方がタイル割付けの基本です。
具体的な例を出してみると…
例えば外壁でよく採用される「45二丁掛け(よんごにちょうがけ)」と呼ばれるタイルがあり、このタイルのサイズは45mm×90mmになっています。
今回の例では、タイルの厚みは7mm程度、壁下地に対するモルタル補修を5~6mm程度とし、貼付けモルタルの厚みを2mmと考えて、貼り代は15mmと考えます。
イメージはこんな感じで、商品としてコーナー部分のタイルも用意されています。
上記のようなタイルを、例えば900mm×900mmの鉄筋コンクリート柱に貼っていく場合について考えてみることにしましょう。
まずは構造体だけの図面を表現すると、このような平面図・立面図になっています。
まずはタイルの基本パターンですが、45二丁掛けタイルの場合は目地5mmが基本になりますので、目地を含めると50mm×100mmというサイズ感になります。
タイル貼りのパターンはいくつかありますが、今回は最もオーソドックスな通し目地(もしくは芋目地)と呼ばれるパターンで並べていくと、こんな感じになります。
このパターンを先ほどの900mm×900mmの柱に当てはめてみると、タイル仕上面として柱サイズは15mm+900mm+15mmなので930mmということになりますが…
タイルのサイズは決まっている関係で、タイルの端部寸法は必ず「100×タイル枚数+95」という関係になってきます。
今回の例で言えば、近いのは895mm・995mmあたりですが、少なくとも930mmの仕上面ではタイルが綺麗に並んでこないことが分かります。
このあたりをすり合わせていくのが納まり検討という事になる訳です。
実際にどう調整していくのか、というあたりの話は次回に続くことにします。