前回はLGSの足元納まりについての話とか、LGSをどんなピッチでたてていくか、というあたりの具体的な説明をしてきました。
石膏ボードを張る枚数によって壁の強度が変わってくる事、そしてそれを補う為にLGSのピッチを細かくするなどの話がありました。
ただ、実際の施工をするのは施工者の中でも軽量鉄骨を専門に施工する人になるので、ランナーの納まりなどは別に知らなくても問題はないと言えばないです。
各所の納まりを検討する際には、LGSの巾さえ明確になっていれば、LGSがどのようなピッチでたっていてもあまり納まりには影響しないという現実もあります。
しかし設計者であっても施工者であっても、自分で検討をする建物であれば、細かい部分が具体的にどう納まっているのかを知っておく事は悪い事ではないはずです。
そういった理由から、ある程度細かい部分の納まりであまり業務に影響がないかも知れなくても、知識として持っておく為に色々と説明をしています。
建物全体について考えるのが意匠設計者の役割だから、あまり細かい部分の納まりを知っていてもそれほど関係ない、という意見もあります。
これは確かに正論でしょう。
とは言っても、あまりにも納まりについての知識がないことが分かってしまうと、あまり尊敬されない事になってしまうので、仕事としてはやりにくくなると個人的には思います。
施工者でもそれは同じで、恐らくゼネコンに所属している方であれば、実際にLGSを自分でたてる作業をする機会は全然ないはずです。
ゼネコンに所属する方の仕事はLGSをたてる事ではなく、LGSをたてる作業のプロを適切な時期に呼ぶことですから、どうしてもそうなる傾向にあります。
しかし実際に作業の指示をするのはゼネコン側になるはずなので、何も納まりや専門用語を知らないような人ではなかなか指示が難しくなってくるんです。
そういった理由があるので、設計者も施工者もある程度細かい納まりについての知識を持っておくことが必要になると思います。
さて、少し話が逸れてしまいましたがLGSについての話に戻ると、今回LGSの納まりについて取り上げておきたいのが「LGSをどこまで伸ばしていくのか」という話です。
LGSが床コンクリートとどのような関係になっているかという話は前回取り上げました。
床コンクリートに「ランナー」を流してそこにLGSをたてるという話でしたが、今回はそのLGSが上まで伸びていった際にどのような納まりになるのか、という話です。
LGSをどこまで伸ばしておけば良いのか、という質問に対する回答は2通りあります。
・上階の床コンクリートまで伸ばす
・天井までで止めておく
これはLGS壁の納まりにかなりの影響を与える項目になるので、まずはこの区分をきちんとやってから細かい検討に進んでいく必要があります。
ただ、この検討を進めるには色々な要素を頭に入れておく必要があって、これがそう簡単にはいかないという現実があるのですが…
ここではまず純粋に納まりについてだけを説明しておくことにして、区分をしていく要素については改めて説明をしていくことにします。
恐らくそうしないと、LGSの納まりを紹介するまでにかなり長い説明をしていく必要があって、話がなかなか進まない事になってしまいます。
それはさすがに分かりにくいので、まずは基本納まりを覚えてしまい、それをどのように使い分けるかについては後で詳しく説明、という感じで進めていきます。
ちょっと話が長くなってしまったので、上階の床コンクリートまでLGSを伸ばす場合と、天井まででLGSを止めておく場合の具体的な納まりについては次回に説明することにします。