前回は壁下地としてLGS(軽量鉄骨)と呼ばれる部材について、いくつかある規格の寸法やその使い分けの条件などを紹介しました。
内壁の下地としてLGSは圧倒的な割合で採用されることになるはずなので、LGSの規格やその条件などはしっかりと覚えておいた方が良いと思います。
とは言っても、LGSが使われる頻度がかなり高いせいもあって、頑張って覚えようとしなくても自然と頭に入ってしまうとは思いますが…
今回はそんなLGSが具体的にはどんな納まりになるか、というあたりについて、具体的な寸法を含めて紹介をしていくことにします。
まずはLGSの足元についてですが、LGSの足元には必ず「ランナー」と呼ばれる部材が配置される事になります。
…という表現はちょっと違いました。
LGSを立てる為にはまず「ランナー」と呼ばれる部材を流して設置していき、その上にLGSをたてていく必要がある、というイメージです。
上記のようにランナーはLGSよりも2mmサイズが大きいです。
同じ大きさではランナーの中にLGSを入れることが出来ないので、少し大きめになるのは当たり前の仕様という事になると思います。
その上に何かを貼る場合に、この2mmという寸法が微妙に影響してくることになる可能性もあるので、この寸法関係は知っておいた方が良いでしょう。
次にLGSをたてるピッチについて。
LGSのピッチはLGSの上に何を貼っていくのかによって少し変わってきますが、最も多いのはLGSの上に石膏ボードを張るパターンです。
石膏ボードを1枚しか張らない場合は303mmのピッチでLGSをたてていく必要があり、石膏ボードを2枚張る場合は455mmのピッチでLGSをたてる、というのが基本ルールです。
なぜこのような区分をするのかというと、石膏ボードを1枚しか張らない場合は、壁の強度があまり強くないので、下地を細かく入れておく必要があるんです。
しかし一方で石膏ボードを2枚張る場合には、壁の強度としては石膏ボード2枚が結構利いてくるので、下地であるLGSはそこまで細かく入れなくても良い、という事になります。
こうしたピッチにはもちろん理由があります。
石膏ボードは基本的に910mm×1820mmというサイズになるので、その製品をきちんと両端で固定するには、910mmを割り切れるピッチでLGSをたてておく必要があるんです。
先ほど紹介した303mmというのは910mmの三分割で、455mmというのは910mmの二分割という事になり、図面としては下図のようになります。
場所にもよりますが、LGS下地に石膏ボードを1枚しか張らないという納まりだと、壁の強度として結構心配な部分もありますので、出来れば石膏ボードを2枚張ることをお勧めします。
石膏ボード1枚の壁だと、壁が強い衝撃を受けた際には、どうしてもその力に抵抗することが出来ずに割れてしまったりする場合があるんです。
また、石膏ボードの上に塗装などをかけた場合でも、1枚貼りの場合はどうしてもひび割れが発生してしまう可能性があるので注意が必要になります。
実際は物理的に弱いという話になるので、注意するとといってもなかなか難しくて、いくら頑張っても経年によるひび割れは出てきてしまうのですが…
そうした点を考えると、長い目で見た時には石膏ボードを2枚張っておく方が良いのではないかと思う場合もあります。
石膏ボードの納まりについてはもう少し後で詳しく説明をしていくことにしますが、LGSをたてるピッチはこのような考え方で決まることになります。
LGSの納まりについてはもう少し説明することがあるので次回に続きます。