壁仕上材の納まりについての話をしていく中で、前回まではちょっと長くなってしまいましたが、タイルについての説明を色々としてきました。
タイル割付けを検討していく中では、考えておかなければならない項目は結構多く、納り検討としてはなかなか複雑な部類に入るのではないかと思います。
個人的に好きか嫌いかというのはありますが、まあタイル割付けの検討は好きな人と嫌いな人に大きく分かれるような気がします。
…とか偉そうに書いている私はどうなのかというと、事前に検討が出来る状況のタイル割付けであれば、という条件がありますがかなり好きです。
壁も出来上がっていて開口位置も決まっているけれどタイル割付けの検討が出来ていない、という施工者としてはかなり怖い状況というのは時々あります。
そうなると「もっとも被害が少ないのはどんな納まりか」みたいな視点で検討をしていく必要があって、それはなかなかツライ作業になってしまいます。
ここはどうしても開口を移動した方が良くて、それ以外のところは開口をそのままにして細かいタイルを入れるけどあまり目立たないから良いか…みたいな検討です。
もちろんこのような検討が好きな方などいるはずありません。
そういった楽しくない状況になってしまわないように、出来るだけ事前に検討を終わらせておく事が重要なんですが、まあ現実はなかなか厳しいんですよね。
こうした事前検討のお勧めみたいな話はどの部分でもある話なので、検討項目の優先順位を決めておくことが重要になってきます。
それでも検討が遅れてしまう場合には、検討が出来るプロをたくさん確保するなどの根本的な解決方法も視野に入れた方が良いと個人的には思っています。
まあこれも実際のところなかなか難しいのですが…
ということで、かなり前置きが長くなってしまいましたが、今回は壁仕上材として金属パネルの種類や具体的な納まりなどについて色々と考えてみたいと思います。
まずは金属パネルの種類にはどのようなものがあるのか、という部分から。
・アルミパネル
・スチールパネル
・ステンレスパネル
金属パネルというからには、やはり表面が金属になっている訳で、表面に出てくる金属がどのような種類になっているのかで種類が分かれます。
建物で使用される代表的な金属が上記になりますが、それぞれ材質によって色々な特徴があるので、まずはそのあたりを紹介していくことにします。
□アルミパネル
金属としてアルミが持っている特徴は色々ありますが、建築材料として利用される場合に注目しておきたい特徴は以下のようなものがあります。
・軽量である
・充分な強度を持っている
・錆びない
・カットパネルの場合は切り口がシャープで美しい
・曲げパネルの場合は曲げ部分のRが大きめ
・色の選択肢が多い
・止水ラインとしては機能しない
まずは軽量で強度があり、なおかつ錆びないというアルミの特徴から、外壁に金属パネルを採用したい場合にはアルミパネルという事になります。
アルミにはある程度厚みを持たせた材料をカットして使う場合と、薄いパネルを曲げて使い場合があって、カットパネルの方が仕上がりが美しいです。
アルミカットパネルのエッジは綺麗なので、設計者もアルミカットパネルを好む人は多く、建物のメインとなる場所でもよく採用されます。
色は工場で自由に焼付塗装することが出来るので、そうした選択肢の多さも人気の理由ではないかと思います。