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耐火被覆の納まり

鉄骨造の建物では、鉄骨が構造体になっている訳ですが、その鉄は火災時の熱に弱いという欠点を持っています。
そうした性質を鉄が持っている、という事が分かっていれば、それに対してあらかじめ対策を練っておくことが出来る訳です。

いや、かなり表現の順番が違ってしまいましたが、こうした性質を持っている構造体だからこそ、かならず対策をとっておかなければならない、という話です。
それが鉄骨の周囲を覆う「耐火被覆」という事で、鉄骨造の構造体にはかならずこの耐火被覆を施工する必要があるんです。

耐火被覆を施工するタイミングはいつなのかを考えてみると、鉄骨が建ってスラブのコンクリートを打設して、外壁が施工された後のタイミングという事に。
もちろんそれ以降であればいつでも施工はOKなのですが、出来る作業は早めに進めた方が良いと言うことで、なるべく早めに工事の段取りは進める事になります。

鉄骨造の構造体である鉄骨は熱に弱い為、火災時の炎から鉄骨を一定時間守るという主旨で鉄骨を耐火性能がある何かで覆う。
これは建築基準法で定められている事なので絶対にやらなければならない事ですが、手段は必ずしも耐火被覆である必要はありません。

鉄骨を熱から守る為には耐火被覆以外にも、耐火塗装やインシュレーションボードなど様々な工法が存在しています。
その中から建物にとって最も有利な材料を選定していく、というのが基本になる訳です。

ただ、施工性の良さやコストなどを考えると、意匠的に見せたい部分でない限りは、という条件が付きますが、現状では耐火被覆が最も優れている工法だと言えます。
コストが比較的安価であり、ある程度施工性も良く、見映えはそれほど良くはないのですが結局仕上材で隠れるなら良いか、という感じですね。

なので、見た目として特にこだわりがない部分、天井に隠れて見えなくなる鉄骨梁などについては耐火被覆を選択するのがベストという事になります。

耐火被覆の例

耐火被覆は上記のような感じに仕上がります。
建物の地下にある駐車場などに行くと、こうした状態の鉄骨がたくさんありますから、目にしたことがある方は多いのではないかと思います。
お世辞にも見た目が美しいとは言えませんが、まあこれは仕方がないと言うしかありません。

地下駐車場という場所に必要な性能とコストのバランスを考えると、やはりどうしても耐火被覆という選択になってしまうのが一般的だと言えるでしょう。
もちろん全ての梁を耐火塗装しても性能としては同等なので構わないですし、何よりも耐火塗装の方が美しいので意匠的にはお勧めではありますが…

当然コストが一気に跳ね上がることになり、見た目が美しいとは言ってもすぐ隣にはダクトがむき出しになっているなどであれば、別に耐火被覆でも良いかなという選択肢になる訳です。
見た目が美しくなるのは確かに良いことではありますが、駐車場という場所でそこまで頑張るのか、という話と、それを施主が望むかという問題になってきます。

耐火塗装の例

耐火塗装は上記のような見た目になり、鉄骨造の特徴であるスリムな構造体を直接見せることが出来るので、ここぞという部分にお勧めです。
場所によって構造体をどのように見せるのかを検討するのが意匠設計者の役目ですから、このあたりを慎重に検討して方針を示していく事になります。

鉄骨造における耐火処理の考え方についてはこんな感じになります。
次回はもう少し具体的に、耐火処理をする際の納まりがどのようなものになるのか、というあたりの話に進んでいこうと思います。

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