前回は鉄骨造の非常に簡単な概要を説明して、ちょっと覚える項目が多いので話が長くなるかも知れません、というような話をしました。
また、鉄骨造についての知識だけではなく、建物を構成する様々な項目について覚えていく必要がある、という話も取り上げました。
結構当たり前の事を書いてしまいました。
最後まで建物を造り上げる事を仕事にする以上は、建物を造っていく様々なパートについての知識が必要になってくるのは当然ですよね。
そうした知識を求められるのは、建物を設計する側でも施工する側でも同じです。
建物の基礎と鉄骨造との関係について前回は少し取り上げましたが、その話に戻ると…
鉄筋コンクリート造で構成される事になる基礎まわりと、その上に建てられる鉄骨の切り替わり部分が実際どのような納まりになっているのか。
このあたりの納まりについて色々と検討を進める事になる訳ですが、その為には鉄骨造の知識と鉄筋コンクリート造の知識の両方が必要になります。
どちらかだけの知識しかない状態では検討が進まないので、やはり満遍なく知識を積み上げていく事が建築のプロには求められる事になります。
また、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の取り合いだけではなく、鉄骨造同士の接合部分にも様々な納まりのパターンが存在しています。
そうした鉄骨と鉄骨が接合される部分がどのようになっているのか、そして鉄骨と鉄骨を接合していく為に利用される溶接にはどのようなものがあるのか。
…などなど、鉄骨造関係の話は非常に奥が深いものばかりです。
このように、鉄骨の納まりは結構特殊な知識が必要になってくるので、それらの最低限の知識をここで説明していくことが出来ればと思っています。
例えば鉄骨と鉄骨を接合する為に用いられる「溶接」にはどような考え方が適用されるのか、というあたりを考えつつ納まりを検討するのはかなり骨が折れる作業になります。
こうした溶接に関する知識は鉄骨造の納まりを検討する上で重要な知識ではあるのですが、深く掘り下げていくと非常に奥が深い要素でもあるんです。
満遍なく知識を積み重ねていくという話があったばかりなのに、奥の深い知識も必要になってくるというのは、ちょっと矛盾がありますよね。
でも仕事で必要になる知識というのはそういうものなのだと思います。
ただ、やはり当サイトでは基本的な知識を優先したいと考えています。
まずは溶接の概要と基本的な考え方だけをざっと押さえておき、一通り覚えた後でもう一度溶接の種類や納まりなどの細かい話に進んだ方が効率的、という考え方で進めます。
もちろん建築に関わるそれぞれの項目について、それぞれ深い知識を持っていた方が仕事では有利であることは間違いありませんが…
理想的な事ばかり考えるのは現実的ではないので、限られた時間の中で考えて優先順位をつけて覚えていくことも重要ではないかと思います。
まずは一通りの知識を吸収して、それを実際の業務で経験していくことによって知識を自分のものにしていくことからスタートするのがお勧め。
その後はその知識を少しずつ深くしていき、実際の仕事でその知識を実践することによって、さらに経験値を高めていく、という流れが理想です。
そこまでの知識と経験を身につけるまでには、実際の仕事で失敗した経験などがたくさん必要になってくるのだと思います。
そうして知識と経験を積み上げるまでには、恐らく膨大な時間を要するはずで、残念ながら当サイトに書かれている内容を全部暗記してもそこまではたどり着かないかも知れません。
しかし、だからこそ知識を持った人には価値があるという事になるので、そうした本当のプロを目指して知識を積み重ねていきましょう。
当サイトに書かれている内容を読むだけでは不足だとは思いますが、スタートラインに立つくらいであれば出来るはずですから。