天井仕上材として、あまり一般的な部屋では採用されないけれど、ちょっと特殊な部分で採用される可能性があるものについて前回は取り上げてみました。
・アルポリック
・化粧ケイ酸カルシウム板
・メラミン化粧板
上記の天井仕上材の中から、前回はアルポリックについて説明をしましたので、今回は引き続き化粧ケイ酸カルシウム板についての説明からスタートしましょう。
□化粧ケイ酸カルシウム板
化粧ケイ酸カルシウム板は壁仕上材の項目でも簡単に紹介しましたが、表層が既に仕上がっているケイ酸カルシウム板になります。
壁と同じ仕様で天井も仕上げたい、という場合には、天井でも化粧ケイカル板を採用することになります。
材料の特徴としては、強度が高くて傷が付きにくく、なおかつ湿気にも強く耐薬品性にも優れていて、表面が平滑に仕上がっている、という感じになります。
こうした特徴を持っている材料なので、厨房や給湯室などの水廻りや、研究施設やクリーンルーム、さらには手術室などの内装で採用されます。
化粧ケイ酸カルシウム板の見た目イメージは上記のような感じになっています。
色のバリエーションは単色の淡い色が多くなり、木目などのパターンはありませんので、重厚な雰囲気を出したい部屋にはちょっと向かないかも知れません。
ただ、木目が必要な部屋であれば恐らく湿気に強い必要は特にない部屋である場合が多いので、特に化粧ケイカル板を採用するメリットはなくなってしまうはず。
そう言った意味では、木目などのバリエーションがなくても特に問題はないでしょう。
納まりとしては軽量鉄骨天井下地に対して石膏ボードを1枚張って、そこに対して接着剤で固定していくという関係になります。
水回りや抗菌性能が必要などの部屋の用途を考えると、化粧ケイカル板の目地部分はシール納めにする場合が多いかも知れません。
ジョイナーと呼ばれる見切材を使う場合もありますが、ちょっと見た目としてあまり綺麗ではないので、出来ればシンプルにシールで納めたいところです。
□メラミン化粧板
メラミン化粧板と言っても色々な商品がありますが、ここでは個別の商品名ではなく全体的なくくりで紹介をしていこうと思います。
メラミン化粧板とは、表層にメラミン樹脂の仕上層を、芯材にフェノール樹脂を持っていて、それを高温で形成したプラスチックの板になります。
表面の仕上パターンは非常に多いので、意匠設計者がイメージする天井仕上材としての色や柄は、恐らく用意されているパターンの中に必ずあると思います。
木目のバリエーションも非常に豊富なので、壁仕上材と組み合わせることによって、様々な部屋の雰囲気を作り出すことが出来ます。
プラスチックの板を貼って壁や天井を仕上げていくのか、と思ってしまう方もいるかも知れませんが、最終的な仕上がりを見れば恐らくそのような意見はなくなると思います。
納まりとしては化粧ケイカル板と同様に、軽量鉄骨天井下地に石膏ボードを1枚張っておき、その下地に対して接着剤と両面テープを併用して固定していきます。
接着剤が硬化するまでの間は、両面テープがメラミン化粧板の落下を防ぎ、接着剤が硬化すれば問題なく固定される、という感じになります。
ただ、メラミン化粧板には様々な商品が用意されていますが、重量などの関係で天井のは施工出来ない商品もあるので注意が必要です。
ビスで固定しない納まりになるので、重量がある天井仕上材になってしまうと、地震時などで落下してしまう恐れがあるんです。
見た目も確かに重要ではありますが、部屋を安全に利用するという事が大前提としてありますので、そのあたりの注意点は守るしかありません。