前回は天井仕上材の割付という事で、まずは岩綿吸音板の割付について具体的な例を挙げながら説明をしていきました。
部屋の中央を割付の基準としてまず考える事と、そして壁際の天井仕上材が半分以上になるように調整をかけていく事がまずは基本になります。
特に柱型などが出ていないシンプルな形状の部屋であれば、この方針で割付を考えてしまえばそれで恐らく問題なく納まってしまうと思います。
柱型などが出ている部屋であれば、柱面に合わせて天井目地を入れたくなるかも知れませんが、岩綿吸音板は目地が目立たない製品なので、あまり意味がないという話も少ししました。
これは意匠設計者の好みもあるとは思いますが、アルミパネルなどの目地ではない限り、通常の天井仕上材の目地位置は何かに合わせるなどの調整はいらないと思います。
アルミパネルを施工するくらいの部屋であれば、壁の目地や建具との関係なども意識した方が良いのですが、通常の天井仕上材であればそこまでやらなくても、という感じです。
目地がやや目立つ化粧石膏ボードであっても、柱型に目地を合わせるより部屋の中央で割付を検討した方が良い結果になる場合が多いです。
天井の割付に関しては、目地位置をどこかに合わせて狙っていることよりも、部屋全体で考えた割付をしていく方が、天井に取付く器具などを考えると無難ですから。
今回も引き続き天井割付の考え方についての話を進めていくことにして、今回は化粧石膏ボードの割付を考えてみることにします。
とは言ったものの、化粧石膏ボードのサイズ910mm×455mmは直貼りタイプの岩綿吸音板と同じなので、割付の考え方も全く同じになります。
部屋の形状は恐らく長方形になる場合が多いと思いますが、その場合は天井仕上材も部屋に合わせて長手方向に流していくのが基本になります。
これは絶対に決まっているという程の話ではありませんが、逆にすると結構変な感じになってしまうので、考え方を上図のように統一した方が良いでしょう。
こうしたルールを絶対に守る! みたいな考え方をするのは良くないので、ケースバイケースという考え方をすることの方が重要です。
例えば、連続している部屋だけど天井は区切られているような状況もプランによってはあるので、そこで頑なにルールを守ると下図のように変な状況になってしまいます。
基本ルールはあるけれど、それよりも優先すべき項目がある場合は、迷わずそちらを優先させるという考え方が重要になってきます。
引き続き別の天井仕上材について考えてみると…
天井仕上材として説明した中には、石膏ボードに塗装仕上とビニルクロス貼りがありますが、天井に目地が入らないという特徴があるので割付は特にありません。
石膏ボードのサイズは1820mm×910mmなので、その割付は必要ないのかが気になるかも知れませんが、最終的にパテで目地をを埋めるので割付はやりません。
こうして最終的に見えなくなってしまう部分であれば、現場でやりやすい割付で進めるのが一番効率的なので、図面では特に表現をしない方が良いんです。
最後にケイ酸カルシウム板の割付ですが、サイズは1820mm×910mmという長方形のパターンと、910mm×910mmの正方形パターンがあります。
どちらを天井仕上材として採用するかは自由なので、どのような見せ方をしたいかによって選定をしていくのが良いと想います。
長方形の天井仕上材は馬貼りという話をしてきましたが、このサイズのケイ酸カルシウム板は馬貼りではなく芋貼りで納めることが多いです。
ここで明確な理由を出せないのは残念ですが、このサイズで馬貼りをするのは単純に見た目が悪いからかも知れません。
天井割付についての話はこのあたりで終わりにしておき、次回は天井面と設備器具との関係などについて考えてみることにしましょう。