今までの説明で、天井仕上材の代表的なものをいくつか紹介してきましたが、よく使われる天井仕上材については大体説明出来たかと思います。
・岩綿吸音板(接着貼りタイプ)
・岩綿吸音板(直貼りタイプ)
・化粧石膏ボード
・石膏ボード+塗装仕上
・石膏ボード+ビニルクロス貼り
これらの天井仕上材を各所の部屋で組み合わせていけば、特殊な部屋を除いてという条件にはなりますが、ほぼ全ての部屋の天井を決める事が出来るはずです。
例外的な表現になっている「特殊な部屋」というのは、意匠的にちょっと力を入れたい部屋などを指していて、例えば壁に石などを採用しているような部屋です。
せっかく壁に石を採用したのであれば、天井は塗装仕上というのもアリではありますが、バランスを考えるともう少し違う天井仕上材を選定したくなります。
今回はそうした少し特殊な部屋で採用される可能性がある、ちょっと特殊な天井仕上材をいくつか紹介してみたいと思います。
もちろん全ての製品をここで紹介出来る訳ではありませんが、考え方や納まりは製品が違ってもそれ程大きく変わらないので、それぞれの製品で応用をしていけば問題はないでしょう。
・アルポリック
・化粧ケイ酸カルシウム板
・メラミン化粧板
今回は上記の天井仕上材について簡単に説明をしていこうと思います。
□アルポリック
壁仕上材について紹介した際にも出てきましたが、アルポリックは芯材と呼ばれる樹脂に対して薄いアルミパネルを表層に貼っている製品です。
見た目はアルミパネルになっているけれど、アルミの使用量が少ないので、コスト的にはアルミカットパネルよりかなり有利になります。
このアルポリックを天井仕上材として採用する場合には、天井下地との納まりとしては二通りの選択肢があります。
ひとつは天井下地にビス止めというアルミカットパネルと同じ納まりで、もうひとつが石膏ボード下地に接着剤で貼っていくという納まり。
どちらのパターンでもアルポリックは納まるので、手軽さで言えばやはり接着剤で貼っていく納まりという事になるのですが…
石膏ボードに対して接着剤で貼っていった場合、アルポリックの板厚分しか目地の深さを確保することが出来ないので、少し見た目のイメージが変わります。
こうしたカットパネル系の納まりであれば、目地の深さはある程度あった方が見映えが良いので、ビス固定納まりの方が見た目は良くなります。
ただ、施工性やコストなどを考えた場合には、石膏ボードに対して接着剤で貼っていく納まりも選択肢としては充分検討の余地があります。
樹脂の芯材に対して薄いアルミパネルを貼り付けているという製品の特徴から仕方がない事ではありますが、アルポリックには小口から樹脂が見えてしまうという欠点があります。
しかし天井仕上材として採用する場合には、天井面が目線から離れていることもあって、あまり小口が目立たない距離間になっていて、納まりとしては都合が良い感じになります。
こうした芯材が見えてしまうという欠点があるものの、さすがに表面はアルミパネルになっていますから、仕上がりは光沢もあり非常に美しいです。
コストを考えるとアルミカットパネルは採用出来ない、という部屋でも、アルポリックであれば検討出来るという事があるかも知れません。
ちょっと長くなってしまったので、化粧ケイ酸カルシウム板とメラミン化粧板については次回に詳しく説明をしていきます。