天井仕上材を張っていく為に用意しておく必要がある天井下地は、軽量鉄骨で組み立てられる割とシンプルな納まりになっています。
壁の軽量鉄骨下地の場合は、壁をたてる高さによって軽量鉄骨のサイズを切り替える必要があったりしましたが、天井はそうした切り替えはそれほどありません。
あったとしても外部の天井だからシングルバーとダブルバーを25mmにするくらいで、基本的な納まり関係はほとんど同じという事になります。
天井の納まりはそれほど難しいことはない、という話を以前少ししましたが、その理由は軽量鉄骨による天井下地納まりがシンプルだからなんです。
この基本さえ最初に押さえておけば、あとはそれほど大きく悩んでしまうような項目がなくて、どのような天井仕上材があるかを覚えてしまうだけ。
建物は他にも色々と検討が必要な部分がたくさんありますから、一般的な納まりで済んでしまう部分は軽く検討をしておき、他の部分に力を入れた方が良いです。
そう言った意味で、軽量鉄骨の天井下地納まりをきちんと理解しておくことは、天井納まりを押さえておく上で非常に重要な要素だと言えるでしょう。
そんな訳で、今回は軽量鉄骨天井下地の一部を構成する「吊りボルト」の納まりについて、サイズや下地の準備などの話をしていくことにします。
まずは天井を吊っていく部材である「吊りボルト」の基本サイズですが、一般的な天井の場合は直径約9mmの吊りボルトが採用されます。
具体的な数値を出すと3/8インチの径という事になり、1インチが約25.4mmになるので、直径9.5mmくらいのボルトという事になります。
3/8インチという呼び方はちょっと分かりにくいのか、一般的には「三分ボルト」と呼ばれる事が多いような気がします。
特に明確な指定をしない限り、天井下地として利用する吊りボルトにはこの三分ボルトが利用される事になります。
イレギュラーな納まりとして、重量がある天井などで時々もう少し太い吊りボルトが必要になる場合がありますが、その場合は「四分ボルト」が採用されます。
考え方は同じで4/8インチのボルトという事になり、約12.7mmの直径を持つ吊りボルトになっていて、当然三分ボルトよりも頑丈になります。
天井を支える為の吊りボルトサイズについての話はこんな感じです。
基本は三分ボルトを採用していき、天井の重量などの条件があって要望があった箇所に限っては四分ボルトを部分的に採用していく。
この考え方で特に大きな問題はありません。
こうして配置していく吊りボルトに対して、軽量鉄骨天井下地である野縁受けを、専用の受け材で固定していくことになります。
このあたりの基本的な納まりの関係については、下図のようなイメージを見て頂ければ雰囲気は伝わるのではないかと思います。
実際に天井納まりを検討していく中では、こうした吊りボルトの径とか、吊りボルトからどのように軽量鉄骨下地を流していくかなどの細かい部分はあまり関係なかったりします。
ただ単純に天井下地のサイズである38mm+19mmがあって、ボードの厚みがいくつだから上階梁のと関係がいくつ必要で…みたいな検討になるので。
しかし実際にどのような関係性で納まってくるのかを知っている事は、検討していく寸法に表れてくることはありませんが、結構重要ではないかと思っています。
何のために吊りボルトを下ろしていき、どのくらいのピッチが必要になってきて、それに対してどのような関係で下地が固定されているのか。
こうした納まり関係についてあまり詳しく知らなくても、数字さえ追っていくことが出来れば、納まりの検討は可能ではあります。
しかしそれではちょっと面白くないと言うか、どうせ納まりを検討するのであれば知っておいた方が良いのではないかと思います。
それほど難しい関係でもありませんので、ここでは予備知識としてこうした関係もきちんと押さえておくことをお勧めします。
次回は吊りボルトについてもう少し話をしていくことにして、吊りボルトのピッチと上階床コンクリートとの関係について説明をしていきます。