前回は天井仕上材の主な種類についていくつか紹介しましたが、名称だけしか紹介することが出来ませんでした。
今回はそれぞれの項目について、もう少し詳しく特徴や見た目、そして納まりなどについて説明をしていこうと思っています。
まずは前回挙げた天井仕上材についてもう一度おさらいを。
・アルミパネル
・岩綿吸音板
・化粧石膏ボード
・塗装仕上
・ビニルクロス
・システム天井
・ルーバー天井
天井仕上材で主に利用されるのは上記になってきますが、天井の見せ方や納まりのパターンとしては結構色々あるものです。
今回はそれぞれの天井仕上材について色々と説明を追加出来ればと思っています。
天井仕上材については、あまり目立たないように白系で無難なものが、結局は部屋の雰囲気を考えると良いのではないか。
前回は私の個人的な考えとして、このような事を書いてみましたが、もちろんこうした考え方は意匠設計者によって様々であるはずです。
私の考え方が全部正解という訳でもないですし、全然的外れで違っている訳でもありません。
建物の仕上がりには「これが間違いなく正解」というものはありません。
そういうパターンがあれば楽なのですが、それでは恐らく面白くないはずで、建物全体の事を考えながら、設計者としてどのような仕上材が適切なのかを考えていく。
そのような作業が必要になってくるのではないかと思います。
以前も似たようなことを書いている気がしますが、そうして建物の場所ごとに適切な仕上材を剪定していく為には、色々な仕上材について知っておく必要があります。
たくさんの選択肢の中で、ここではどういったものが適しているかを判断していく事になりますから、選択肢はある程度多くないと困る訳です。
天井仕上材は割と身近な存在で、例えば今自分がいる部屋の天井は何だったか…みたいにすぐ見ることが出来るのが良いところです。
なので、当サイトの写真だけではなく、自分の近くにある天井仕上材についても、意識して見ていくことをお勧めします。
また、ここで少し別の話をしてしまいますが…
天井仕上材には壁と同じものが取り付けられる場合も結構ありますが、壁と天井とでは基本的に考え方が大きく違う部分があります。
天井の納まりを知っておく為には、まずは壁との違いについても知っておいた方が良いです。
・天井仕上材は落下する恐れがある
・天井には器具がたくさん取り付けられる
天井仕上材は壁に取り付けられる場合と違い、自重によって落下する恐れがある、というのが非常に大きな違いだと言えます。
例えば石やタイルなどの重量があるものは、あまり天井仕上材としては採用されないのですが、それはもちろん落下した際に危険だからという理由があるからです。
また、壁にもスイッチやコンセントなどの設備関連器具が取り付けられることになりますが、天井にはもっとたくさんのものが取り付けられることになります。
例えば照明器具やスピーカーや空調器具、スプリンクラーヘッドなど、壁とは比べものにならないくらいの物量を天井面に取り付ける必要があります。
このあたりの話はもう少し後で詳しく説明していくつもりですが、天井に取り付けられる器具の配置と天井の割付も考慮しておくことが求められます。
天井仕上材はそれぞれの製品によって違いますが、それ程大きなものではないことが多いので、天井には割と細かくラインが入ることになります。
そのラインをどのように見せるのかという話と、天井に取り付ける器具をどのように配置していくかの検討をしていくのも意匠設計者の役割です。
そうした検討をしていく為にも、それぞれの天井仕上材の特徴をしっておき、目地部分がどのように見えるのかを知っておくことが重要になってきます。
…と、天井仕上材について詳しく説明をすると言いながら、ちょっと違う話をずっとしてしまい、結局本題に進むことが出来ませんでした。
余分な話はこれで終わりにしておき、次回からは天井仕上材としていくつかの種類を、見た目や特徴や納まりなどの細かい部分まで説明していくことにします。