前回は天井仕上材の中でも使用頻度の高い岩綿吸音板について、その見た目や特徴、そして納まりについての具体的な話を取り上げました。
天井仕上材としての見た目性能、そしてコストなどのバランスを考えていくと、天井として岩綿吸音板を選定する部屋はかなり広範囲になるはずです。
天井としての納まり自体は、石膏ボードを下張りした上に接着剤+ステープル併用で貼っていく事になるので、それ程難しいものではありません。
まずは基本的な納まりという事で、岩綿吸音板と石膏ボードとの関係を含めてきっちり覚えてしまいましょう。
引き続き天井仕上材について説明を進めていくことにしますが、今回紹介する仕上材も岩綿吸音板になります。
前回紹介した岩綿吸音板と同じ材料ではあるのですが、納まりが異なる商品があるので、今回はそちらを紹介していくことにします。
先ほども説明したように、岩綿吸音板の基本納まりは下張りした石膏ボードに対して接着剤とステープルで固定していく、というもの。
文房具で一般的に「ホッチキス」と呼ばれる、紙を綴じる為の器具がありますが、ステープルはそれの少し小さい物になります。
天井仕上材は下から施工していくことになるので、施工した直後でまだ接着剤が固まるまでは、仕上材の重量で落ちてしまう可能性があります。
接着剤が固まればそのような事はないのですが、それまでの間はステープルで仮固定していくため、併用が必要になってきます。
実際のところは、納まりを検討していくだけでなら「どうやって岩綿吸音板を貼っていくのか」という知識は必須ではありません。
ただし知っておいても損はないので、ザックリとでも構いませんので2枚貼りのパターンをまずは押さえておきましょう。
これを踏まえて今回の話に進みます。
今回紹介する岩綿吸音板は、石膏ボードに貼っていく納まりではなく、天井下地に直接ビスで固定していくタイプの製品になります。
この納まりの違いはかなり大きくて、当然グレード感も少し違うので、採用される部屋も少しずつ変わってくることに。
今回紹介する天井直貼りタイプの岩綿吸音板を採用する部屋も結構ありますので、こちらの納まりパターンもあわせて覚えておきましょう。
以前も紹介しましたが、天井下地はチャンネル38mm+シングルバーもしくはダブルバー19mmで構成されています。
天井下地に固定していくボードのジョイント部分にはダブルバーを配置していくという事で、天井直貼りの岩綿吸音板はこのような納まりになります。
石膏ボードに接着剤で固定していくタイプの岩綿吸音板は600mm×300mmのサイズでしたが、直貼りタイプはちょっと違います。
910mm×455mmの商品と600mm×600mmの商品があって、どちらも接着剤のタイプに比べてやや大きめになっています。
この天井仕上材を配置していくと、910mm×455mmの天井と600mm×600mmの天井はこんな感じに見えてきます。
910mm×455mmの長方形サイズでは馬貼り、600mm×600mmの正方形サイズでは芋貼りが基本ですね。
ただ、これが図面の良くないところなのですが…
図面ではどうしてもボードのサイズを線で表現する必要があるので上記のような感じにしていますが、実際にはジョイント部分はあまり目立ちません。
図面の表現と実際の見た目は少し違うという事です。
このあたりのもう少し詳しい話と、岩綿吸音板でこのように納まりを変えていく意味については、次回に取り上げてみたいと思います。