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クリアランスという考え方

上階の梁と天井との関係について検討をする際に、具体的にはどの程度の寸法をあけておく必要があるのか、という話を前回は考えてみました。

天井下地寸法として野縁受け38mm+野縁19mmの厚みがまずは必要で、そこに張っていく石膏ボードなどの厚みを大きい方で考えて25mm。
合計82mmの天井となるので、梁下端と天井面との関係は、82mmに少し余裕を見た寸法として100mm程度が最低は必要、という話でした。

天上レベルとRC梁の関係例

梁下端と天井下地との間にある18mmの隙間は、施工誤差があった場合でも問題なく納まるようにという事で想定しています。
施工者側の目線で考えると、18mmの隙間ではやや少ないという事になってしまいますが、少なくともぴったりゼロでは絶対に納まりません。

例えば梁の鉄筋コンクリートを打設する際には、コンクリートの重量によって少し梁底が下がってしまう可能性もあるんです。
精度があまり良くない場合には、あっという間に30mm程度梁底が下がってしまう可能性もあるので、そのあたりの状況も考慮しておく必要があります。

こうして施工誤差を考えて逃げておく寸法を「クリアランス」と呼びます。
単純に「逃げ」と呼ぶ場合もありますし、短縮して「クリア」と呼ぶ場合もあって、これは結構人によって様々で混乱しそうですが、意味合いは皆同じです。

建築の納まりを検討していく際には、このクリアランスをきちんと確保しておかないと、後で非常に困ってしまう事になるので注意が必要です。
なぜそのような施工誤差が出てしまうのか、と思ってしまうかも知れませんが、建物は人間の手で造っていくものですから、ある程度のズレが出るのは当たり前の話というか仕方がないというか、見込んでおくべき誤差という事になるかと思います。

また、上記の例で出した納まりは鉄筋コンクリート造の梁だったので、ちょっとクリアランスが狭いですが100mmで何とか納まりましたが、鉄骨梁の場合はちょっと納まりが違います。
鉄骨梁と鉄筋コンクリート梁の大きな違いはふたつあって、ひとつが鉄骨梁には耐火被覆が必要になるという事で、もうひとつが梁のジョイント部ではボルトなどが出っ張るという事。

これらの納まりを現実的に考えていくと、鉄筋コンクリート梁の場合は100mmで何とかぎりぎりという感じだった寸法が、鉄骨梁では150mm程度必要だという事が分かってきます。
鉄骨梁と天井との関係はこのような感じになります。

天上レベルとS梁の関係例

天井高を出来るだけ確保しておきたいという考え方から見ていくと、この50mmの差というのは実際は結構大きいのだという事も分かってきます。
鉄骨梁下端と天上レベルの関係を考えていく際には、常にこうしたクリアランスを考慮して確保してあげる必要があるんです。
特に忘れてしまいがちなのが、大梁の剛接合納まり部分で発生してくるジョイント納まりで、ジョイント部の存在を忘れてしまうと結局後で少し天井を下げることになってしまいます。

また、鉄骨梁は熱に弱く、高温になると構造体としての強度が保てなくなってしまうので、火災時に建物利用者が避難する時間は構造体としての強度を保てるように、という目的で耐火被覆が必要になってきます。
耐火被覆に求められる必要な耐火時間はフロアによって異なりますが、二時間耐火が必要な場合には45mm程度の厚みが耐火被覆として必要に。

こうした必要な厚みが決まっているものに関しては、ぎりぎりを狙って施工する訳にはいかず、気持ち余分に厚みを確保しておくやり方をする事になります。
45mmぎりぎりを狙った実際には43mmしか厚みがなかった、という状況になると、耐火性能が確保されていないからNGになってやり直しになってしまいます。

そうなってしまうと完全に二度手間という事になるので、それを避ける為に、50mmの厚みで耐火被覆を吹いていく事になる場合が多いです。
こうした状況を考えていくと、図面で表現している耐火被覆の45mmという状態は、理想的ではあるけれど非現実的という事が言えますよね。

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