外壁タイル割りの一例として、前回は45二丁掛け(よんごにちょうがけ)タイルの割付けについて、具体的な寸法を例に出して考えてみました。
タイルは商品のサイズがあらかじめ決まっているという特徴があって、それを綺麗に並べていく方が見映えが良い、という考えをベースにして今回のような検討をしていきます。
前回は900mm×900mmの柱なので仕上面としては15mm+900mm+15mmなので930mm×930mmになるという話がまずはありました。
しかし実際にタイルを並べてみると、タイルのサイズが決まっている関係で、上手い具合に930mmにはならない、という話で終わりました。
構造体から追いかけると壁仕上面は930mmだけど、タイルのサイズを優先させると近い寸法でも895mmもしくは995mmになる、という感じでした。
このタイルと壁下地の関係をどのように調整して納めていけば良いのか、というあたりの話を今回は続けていこうと思います。
まずはタイル割付けの基本的な考え方は二通りあります、という話から。
・現状の壁下地にあわせてタイルを切る
・タイル割付けに合わせて壁下地位置を調整する
ちょっと当たり前すぎる話ではありますが、壁下地位置を優先させるのか、それともタイル割付けを優先させるのかという話がまずはあります。
どちらの方針が良いのかという点についてはケースバイケースになってくるので、必ずこうしなければならないという種類の話ではありません。
その場所によって適切な考え方で納めていけば良いので、今回はそのあたりも含めて色々と考えてみることにしましょう。
現状の壁下地にあわせてタイルを切る場合は、つまり930mmの外形にタイルを合わせるという事になるので、どこか1枚のタイルを65mm切る事になります。
どこに65mmカットしたタイルを配置するかの考え方は様々ですが、そもそもこの時点で見映えはあまり良くないので、どこに配置してもあまり変わりません。
見た目を考えると全てのタイルを少しずつ切る方が綺麗に納まりますが、これは手間とコストなどを考えると全然現実的ではないのでお勧めは出来ません。
そもそも45二丁掛けタイルは上図のように、施工性を考えて300mm×300mmのサイズで一体になっている製品である場合がほとんどです。
紙が張ってあるものがひとつの製品になっているので、全部少しずつカットはちょっと無謀というか何というか、やめた方が良いという感じです。
こうした発想はタイル現物を見ないで図面だけで検討をしている人にありがちで、このような検討をすると実際に施工をする人の反応は最悪になると思います。
もちろん意匠的に絶対譲れない場合はそれでも押し通す事になりますが、少なくとも今回の例のような場合はそこまでの話ではありません。
どうしてもタイルを同じに見せたいのであれば、タイルに合わせて壁下地を調整すれば良いだけ話で、それがタイル割付け検討の基本になりますから。
それをしないのであれば、どこかに小さめのタイルが入ることになるのは当然なので、ある程度はそれを受け入れる必要がありmさう。
という事で、壁下地ありきでタイルのサイズを調整する考え方は、どこかにカットしたタイルが入ることになるので、意匠的には妥協という感じになります。
場所によってはそうした考え方をしても良いのですが、そもそも外壁にタイルを貼る場所という時点であまり妥協出来る場所ではないという事に。
そうなると、今回の例で説明したような、壁下地にあわせてタイルを貼っていくという考え方は、あまりお勧め出来ない考え方だという結論になってしまいます。
次回は逆の考え方として、タイルの位置をベースにして壁下地を調整する考え方について説明を津づけていこうと思います。