前回はあまり頻繁に採用される可能性が少ない「コンクリートブロック」について、その仕様などをちょっとだけ取り上げてみました。
これを書いている私自身、今までたくさんの建物に関わってきましたが、このところめっきりコンクリートブロックを見かけません。
少し昔であれば、ゴミ置き場の仕切りとかで時々出てくる事もあったと思うのですが、最近は本当に見かけなくなってしまいました。
ちょっと懐かしささえ覚えてしまう建築材料になってしまったのかも知れません。
前回も書きましたが、地下二重壁があってもほぼ間違いなくコンクリートブロックという記載はなく、ラムダなどの軽量な製品に切り替わっているんですね。
例えばラムダを実際に使ってみると、二重壁の点検口も簡単に配置出来るようになっていたりして、非常に考えられているな、と感じます。
地下の二重壁に求められる性能を満たしているのですから、コンクリートブロックではなくラムダの方が手軽で良いという判断になるのは仕方がないことなのでしょう。
…と、コンクリートブロックの話はもうこれで終わりにして、今回は壁の下地という事で鉄骨下地について考えてみることにします。
鉄筋コンクリート壁・ALC・ECP・コンクリートブロック、という流れで説明をしてきて、その次が鉄骨下地という項目が正解かどうかは分かりませんが…
少なくとも壁を構成する為に必要になる事が多いですから、その基本的な納まりなどについて覚えておく事は決して無駄ではないと思います。
建物の内壁として石を採用したい場合などで、わざわざ鉄筋コンクリート壁やECPなどを建てなくても問題ないような部分は結構あります。
外壁としてであれば止水ラインや耐火性能が必要になるので、まずはECPで外壁をつくってその表層に石を張るなどの納まりになりますが、内壁であればそれが不要な場合もあるんです。
そうした壁の下地として鉄骨下地が採用されることになる訳ですが、鉄骨と言っても建物の構造体として使用されるような大きな部材にはなりません。
具体的なサイズを挙げてみると、100mm×100mmの角パイプとか、100mmx100mmx6mmのアングルなどの部材になってきます。
建物の構造体としての鉄骨はコラム柱やH鋼が多く採用されますが、そこまでの重量鉄骨ではなく、もっとシンプルで入手しやすい部材が下地になる訳です。
・角パイプ
・溝型鋼
・アングル
上記のような鉄骨部材は規格サイズで様々なサイズがあるので、その中から適切な部材を選定して壁下地として使っていく、という感じです。
部材が色々ありすぎてしまい具体的な納まり例が出しにくい状況ではありますが、例えば内壁の石を張る場合の下地などではこんな納まりを採用する事もあります。
基本的には床コンクリートと上階の床コンクリートの間に角パイプなどで柱をたてて、その柱をつないで壁下地を構築していく納まりになります。
こうした構成にすることによって、石などの重量のある壁仕上材を支えることが出来る程の強固な壁下地が出来上がります。
かなり頑丈な下地になりますから、その分だけ手間やコストは結構かかる事になって、本当に必要な部分にだけ使っていく事になるとは思いますが。
壁だけではなく色々なものを固定する下地として、様々な状況でこのような納まりは登場することになると思いますので、基本パターンを覚えておくことをお勧めします。
次回はもう少し鉄骨下地についての話を続けることにします。