前回は床仕上材としてタイルカーペットが持っている特徴、そしてその納まりについて紹介をしてみましたが、これは割と馴染みのある仕上材なので分かりやすいのではないかと思います。
会社に勤めている方であれば、いつも仕事をしているオフィスの床は大抵の場合タイルカーペットだったりするので、見かける機会は結構あるはずです。
とは言っても「お、ここの床はタイルカーペットなのか…」みたいな感想を持つことはほとんどなく、普通の床だと思ってほとんど気にとめない場合が多いですが。
今回は引き続きそんな存在感のタイルカーペットについて話を進めていきたいと思います。
タイルカーペットと呼ばれる床仕上材は、一般的には500mm×500mmサイズの材料を現場で敷き込んで施工をしていくことになります。
この500mm角という大きさが絶妙で、一人で運ぶことも出来ますし、持ち運びやすいからこそ貼っていきやすいというサイズ感になっているんです。
ただ、持ち運びやすいからと言ってあまりにも小さいと、何枚貼っても施工が進んで行かずに効率が悪いのですが、500mm角であれば4枚貼って1平方メートルなのでそれ程悪くはない。
そうした色々を考えていくと、500mm×500mmというタイルカーペットのサイズは色々とバランスが良いという事になる訳です。
こうして色々と計算されたサイズだからこそ、タイルカーペットは手軽な床仕上材として選定されることが多くなっているんです。
そう言った意味では、施工しやすく交換もしやすいという、丁度良いサイズというのは非常に重要な要素になっていると言えるでしょう。
500mm角のタイル状カーペットを床に敷き詰めていく際には、どのようなパターンで敷いていくか、という部分が結構重要な要素になってきます。
今回はそのあたりの話を取り上げてみることにして、まずは綺麗にデザインされたタイルカーペットのパターンについて見ていくことにしましょう。
タイルカーペットはその種類にもよりますが、500mm×500mmで構成されている1枚のタイルカーペットでも、1枚で柄のパターンがきちんとついているものが中にはあります。
上図のようなデザインのタイルカーペットはたくさんありますから、その中から適切な品番を選定していき、それぞれの部屋に合った見た目になるようにデザインしていく。
こうした作業は建物全体の見え方をコントロールしている意匠設計者が受け持つ仕事で、適切な床仕上材を選定する為には様々な選択肢を知っておく必要があります。
デザイン方面の話には特に「コレが正解」というものがないですから、それぞれのパターンを意識しながら意匠設計者として美しい床面を造り上げていく事を狙っていくことになります。
まあそうやって書くのは簡単で、実際にそれを実現するのはなかなか難しいものですが、難しいからこそ意匠設計者のスキルには価値があると言えるでしょう。
上記は元々1枚のタイルカーペットに柄が入っていて、それを連続させていくようなデザインになっていますが、こうしたパターンはたくさんあります。
たくさんあるから迷ってしまう、という意見も当然あるのですが、迷ってしまうくらいたくさんの選択肢があるというのは基本的に良いことではないかと思います。
何も選択肢がない、もしくは選択肢が少なすぎる状態では、恐らく意匠設計者が自分の思ったような内装を実現出来ませんからね。
タイルカーペットの貼り方パターンは上記以外にも結構あるので、次回にもう少しだけ紹介してみたいと思います。