床仕上材として石を採用する場合について色々書いていく中で、石材の表面仕上げについて、床には使わない仕上まで説明してしまいました。
壁の項目で説明すべき話も結構多く、ちょっと先走り過ぎたかも知れません。
色々ある表面処理についてバラバラに説明するのはちょっと分かりにくいかも、という気持ちで一気に書いてしまいましたが…
もし時間に余裕があるのであれば、ここで一通り読んで頂けると嬉しいです。
このカテゴリはあくまでも床仕上材についての説明だったのですが、実際に床仕上材で使用する表面処理はそれほど多くはありません。
大抵の場合ジェットバーナー仕上、もしくはジェット&ポリッシュ仕上という事になる場合がほとんどではないかと思います。
説明が長すぎて分かりにくいと思った方は、少なくとも上記の仕上だけを読んで頂ければ、床仕上の納まりとしては問題ないはずです。
…と、石の表面仕上についての前置きはこのくらいしておき、今回は床仕上材としての石の納まりについて説明していくことにします。
建物の決められた範囲に床仕上材として石を張っていく際には、どのような納まりになって、どのような検討が必要になってくるのか。
納まりの関係については断面図を見て頂ければ分かるはずですが、それ以外に検討する項目があるかどうかについてもここでは考えてみることにしましょう。
床仕上材として石を採用する場合の基本的な流れは以下の様になります。
・まず石種を確認
↓
・選定した石種が床に適しているかの確認
↓
・石の厚みを確認
↓
・石を張る範囲の床コンクリートを下げておく
↓
・目地割りを計画する
床仕上材としての石は、当然厚みがあるものを張る訳ですから、施工の為に必要な寸法を含めて床コンクリートを下げておく必要があります。
以前も同じような話をしましたが、床コンクリートの天端を下げる必要があるのであれば、恐らく梁のレベルも下げておく必要があるはず。
この部分が非常に重要なポイントになってきます。
構造体である梁のレベルを下げるなどの調整が出来るのは、建物の構造にもよりますが、工事のかなり序盤ということになってしまいます。
後から梁のレベルを下げようとすると大変な労力とコストが必要になる、というか、大幅に壊してやり直しという事になるので避けたいところです。
そうした困った状況にならない為にも、しっかりと計画をたてて石を張る範囲(=コンクリートを下げる範囲)を決めておく必要があります。
こうした部分は事前に検討する図面の出番という事で、手間をかけて図面を作図するのはこうした検討をするなんです。
石の厚さは一般的には25mm~30mm程度になりますから、その厚さにプラスして施工する為のスペースが必要になります。
壁の場合は全然話が違っているので「床に関しては」という条件が付きますが、床の石は基本的に湿式工法で施工をしていくのが一般的。
具体的な話としては、床コンクリートの上に敷きモルタル(バサモルタル)を敷き込んでいき、その上にセメントペーストを塗って石を張っていく。
そんな納まりになります。
床に張る石の厚さと敷きモルタルの厚さを考えていくと、少なくとも60mm程度は床コンクリートを下げておく必要があるという関係性がこれで見えてきます。
施工精度や石の厚みによってこの数値は少しずつ変わってくる、というあたりがちょっと困ってしまう部分でもあるんですが…
例えば工事の序盤ですぐに床コンクリートのレベルを決めたい状況でも、その時点では石を施工する専門業者さんが決定していない。
これは良くある話なので、そうした状況では今までの経験を生かして、後で決まっても結局は納まるようなレベルに設定をしておく事になります。