前回は床に石を張る場合の基本的な話を取り上げてみましたが、その中で「石には幾つかの種類がある」という話がありました。
床仕上材として適しているかを含め、今回は石の種類がどのような感じになっているのか、というあたりの話を取り上げてみることにします。
まずは大まかな石の種類について挙げてみると…
・御影石(花崗岩)
・大理石
・石灰岩(ライムストーン)
こんな感じになります。
細かい話をしていくと、石というのは非常に奥が深い世界があって、成分などによって本当に様々な種類の石があることが分かりますが…
建築材料としてよく使われるのは上記の石種になるので、まずはその種類だけを覚えておけば良いのではないかと私は考えています。
石の種類について詳しくなったり、その石を実際にコレクションしてみたりするのは、綺麗な石を集めるという子供の感覚に近くて楽しそうですよね。
趣味は鉱石の収集です、とか言うとちょっと変わっていて話としては良さそうですし。
ただ、石について色々調べていくとかなり面白そうな感じがするのですが、どうもコレクションをする為にはお金が掛かりそうな雰囲気が結構します。
こうしたコレクションは本当に奥が深すぎて、残念ながらまだ私には手が出そうにないので、もう少し働いてからにしようかなと思います。
そんな話はさておき、建物で使われる石については、大まかな種類としてはそれ程多くはないということがここでは分かりました。
ただ、もちろんというべきか、それぞれの大まかな種類の下に色々な柄や色の石があるので、選択肢として全然少ないという訳ではありません。
産地や色や柄などはまた後でという事にして、ここではそれぞれの石種についてもう少し詳しく調べてみることにしましょう。
□御影石(花崗岩)
御影石(みかげいし)もしくは花崗岩(かこうがん)と呼ばれる種類の石は、マグマが地中深くで固まって出来た石の総称です。
まずは硬いという大きな特徴があって、磨くと綺麗な艶が出て美しく、耐久性も高くすり減りにも強いため、建物の様々な場所で採用される石種です。
産地によって色合いや柄は様々で、御影石(花崗岩)と言っても全然違うじゃないか、と思ってしまうくらい色の選択肢はたくさんあります。
恐らく建物の中で多く見られるのが「白御影石」と呼ばれる御影石で、白系の石に黒いつぶつぶが散らばっているような感じの石になります。
…って、全然伝わりませんので写真で見て頂くことにしました。
こうした白御影石はもちろん好みが分かれるところではありますが、建物で採用される石としてはかなり多く使われるのではないかと思います。
実際に使ってみると非常に雰囲気が良い感じになります。
ここで紹介した白系の御影石以外にも、黒御影石と呼ばれる黒っぽい石とか、茶色っぽい御影石など選択肢はたくさんあります。
御影石が持っている特徴の中で「硬くて耐久性が高い」という部分が、床で使う石種に求められる性能にマッチしているので、御影石は結構床材としても採用されることになります。
石の磨き方については改めて説明するつもりですが、床仕上材として使用する場合には、本磨きではなくジェットバーナー仕上とかジェット&ポリッシュなどになっていきます。
本磨きは表面が綺麗の凹凸がなく美しく仕上がるのですが、凹凸がない分だけ滑りやすくなるので、床仕上材としては不向きなんです。
美しく見せるだけが建物の目的ではなく、安全に建物を利用する事が出来るというのも大きなポイントになってくる訳です。
そう言った面から考えると、いくら美しくても表面を綺麗に磨きすぎるのは、床仕上材としては不適格ということになってしまうんです。
大理石と石灰岩(ライムストーン)の特徴については次回に続きます。