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鉄筋コンクリート造のデメリット-2

前回は鉄筋コンクリート造の建物にはどのようなデメリットがあるのか、というあたりについて以下のような項目を挙げてみました。

□施工スピードは早くない

□複雑な形状にすると綺麗に出来ない

結局メリットで挙げた部分は角度を変えてみるとデメリットにもなる、という話になっていますが、今回は上記を踏まえてその続きを説明していく事にします。

□打継ぎが発生する

コンクリートは現場で打設するものですから、もちろん一日に打設可能なコンクリートのボリュームには制限があります。
まずは生コン車で運んでくる生コンの量的な限界がありますし、それ以外にも、コンクリートを打設する時間的な制限もあり、限界を見極めながら計画を立てるのが施工者の業務です。

一日に打設できるコンクリート量は現場の立地条件によってある程度決まってきますが、建物のコンクリート全てを一日で打設することはどんな建物であっても不可能です。
全部を一度に打設するのが難しいので、以前打設したコンクリートの隣に今日打設するコンクリートがある、というような状況になってくるのが一般的でしょう。

そうなると、既に硬化したコンクリートの隣に新しくコンクリートを打設するという作業がどうしても発生してくることになりますが、こうした継ぎ目を、「打継ぎ(うちつぎ)」と呼びます。
打継ぎの何が問題なのかというと、異なるタイミングで打設されたコンクリートは、その境目でどうしても縁が切れてしまうという部分です。

これは仕方がない話ではありますが、既に打設が完了して硬化しているコンクリートの隣に、新しくコンクリートを打設する訳です。
そこにはどうしても少しの隙間が発生してしまう事はやむを得ないことだと言えるでしょう。
こうした隙間が外周にあった場合、細かい隙間から水が入ってくるなどの問題が出てくることになり、漏水の可能性が高くなってしまいます。

そうならない為に、打継ぎ部分にあらかじめ目地を入れておき、そこに後からシールをするなどの方策を検討する場合もあります。

打継ぎ部分の断面図

これは鉄筋コンクリート造のデメリットというか、コンクリートを扱う上でどうしても出てくる話ではありますが、漏水の可能性もあるのでデメリットとして挙げておく事にしました。

□一発勝負の要素がある

今まで何度も話が出てきたかとは思いますが、鉄筋コンクリート造の建物では、型枠にコンクリートを流し込むことで建物の構造体をつくっていく事になります。
打設時に流動的な状態であるコンクリートも、時間の経過とともに硬化して強度が出てくる、という流れになるので、流動的な状態で型枠に流し込むことが出来る訳です。

しかしそのコンクリートがひとたび硬化してしまったら、後でその形状を変えたりするのは非常に大変な作業になってしまうんです。
こうした「後から形状を変えるのが大変」という部分は、言い方を変えると「最初は流動的な状態だから型枠に入れやすく、硬化すると構造体として成り立つ」ということになります。

こうして表現を変えるとコンクリートが持っているメリットとして紹介出来そうですが、表現によっては後から苦労する可能性が出てきてデメリットにもなる…
なかなか難しいところですよね。

基本的にコンクリートは構造体を確保しつつ最終仕上から出っ張らない位置にある必要があるのですが、後々検討したみたらそうなってなかった! というような状況も結構あります。
そうなった場合にどうするのかというと、構造体ではない部分に限っての話ですが、コンクリートを壊して望む形状に修正することになってしまいます。

コンクリートを壊すことを現場では「斫り(はつり)」と呼び、手戻り作業の代表的な存在ですから、あまり歓迎されない業務だと言えるでしょう。
もちろん計画的な斫り作業もあるのですが、割合としてはやはり間違えた部分を壊すみたいなニュアンスが大きいのではないかと思います。

わざわざ余分にコンクリートを打設してしまい、それを壊すのにまた手間がかかり、さらに壊したコンクリートの破片をきちんと捨てないとならない。
というようなデメリットの三重苦が発生する可能性は結構あるので、出来るだけこうした状況にならないように、事前の検討が重要になってくる訳です。

鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリットについての話はこのあたりで終わりにします。
今回紹介したメリットもデメリットも、鉄骨造(S造)の建物を経験してみないとピンと来ない、という可能性があります。

ここに書かれている内容を知識として持っておき、実際に他の構造など色々な条件の建物を経験していく中で、その知識が自分の経験に変わっていく。
と言った流れで経験を積んでいくことが出来るのがベストだと思います。

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