鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を施工する際には、まず建物の骨組みを造っていくところから工事はスタートします。
そこから色々な仕上工事に進んでいく事になりますが、まずは建物の骨組みであるコンクリートを打設していく事を考えていきます。
建物の骨組みを作っていく際いには、構造体の位置に合わせて鉄筋を配置していき、コンクリートの形状にあわせて型枠を組み立てていくという流れで進んでいきます。
鉄筋の組み立てが完了して、さらに型枠の組み立てが完了した時点で、その型枠の中にコンクリートを流し込んでいく準備が整った事に。
こうして準備が整ってくると、ようやくコンクリートの打設という手順に進んでいく事になる訳ですが、ここで検討しておかなければならない事がもうひとつあります。
打設する際のコンクリートはかなり重量があるものなので、コンクリートを流し込んでいく時点でかなりの圧力がかかってくるという点です。
これを検討しておかないと、せっかく綺麗に型枠を組み立てたとしても、結局はコンクリートの圧力によって型枠が壊れてしまう事に。
もしくは、コンクリートを流し込む時点で型枠が膨らんでしまったりして、狙った形状のコンクリートが出来上がらず非常に困ります。
型枠が壊れるとか言う時点で「非常に困る」という状況を超えているとは思いますが…
コンクリートを打設した際に型枠が膨らんでしまうと、当たり前の話ですが膨らんだコンクリートが出来上がるので、後でそれを削って整えないといけません。
最終的に仕上材に隠れて見えなくなる部分であれば、コンクリートが膨らんだからと言って、すぐさま形状を整えることはしないと思います。
コンクリートが大きくなる方向なので、構造体に影響がある訳ではないという判断になり、もちろん程度にもよりますがそのままにする事もあるでしょう。
しかし見えてくる部分や仕上に影響する部分であれば、あるべき位置にコンクリートを整えていく作業がどうしても必要になります。
それに、仕上材で隠す予定の部分でコンクリートが膨らんでしまうと、そもそも仕上材を納める寸法が少なくなってしまうという問題もあります。
そうなると結局はコンクリートを削っていく必要が出てくる訳で、これがなかなか大変な作業になってくるんです。
コンクリートは木のように綺麗に削ることは出来ないので、バババッという感じにコンクリートを壊していくことになります。
だから当然の事ですが、狙ったところで綺麗に削り終えることなど出来るはずもありません。
一度削ったところをもう一度綺麗に補修して、さらに削ったコンクリートの残骸を処分するという作業が発生して、当然その費用まで発生するという良いところなし状態になります。
コンクリート打設中に型枠が耐えきれずに壊れてしまった場合は、コンクリートが膨らんでしまった状態よりもさらに最悪です。
型枠というのはコンクリートを流し込む為にある訳ですけど、それが壊れてしまうと、コンクリートを流し込み終わることが出来なくなってしまうんです。
穴の空いたコップに水を入れてもコップは満水にならないのと同じで、コンクリートを流し込んでもそれはどこかにずっと漏れ続けてしまい…
水が漏れただけであれば拭けば良いだけなのですが、漏れていったコンクリートがどこか意図しない場所で硬化すると、そのコンクリートを取り除く作業が発生します。
ボリュームにもよりますが、これが非常に大変というか何というか…むなしい作業なんです。
という感じで、型枠がしっかりと固定されていない場合、色々な部分で不都合が出てくる事になる、という話でした。
そうならない為にはどうするか、というあたりの話を次回は考えてみたいと思います。