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ひび割れ誘発目地とは何か

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物では、コンクリート内の水分が乾燥していくことによって表面にひび割れが発生することがある、という話を前回は取り上げました。
建物の見た目が悪くなるという点も大きな問題ですが、ひび割れから水が入って鉄筋が錆びてしまう事が建物の性能として大きな問題になってきます。

見た目と性能どちらも重要な要素ですから、それが欠けてしまうとなると建物の価値は大きく下がってしまうことになります。
建物を設計・施工する段階で考えるべきなのは、その建物が長期間にわたり便利に利用される事ですから、建物が性能を発揮できないような状態にならない為の方策が必要になってきます。

と言うことで今回は、コンクリートのひび割れ対策として最も有効で、絶対にやっておかなければならない「ひび割れ誘発目地」の計画を紹介していこうと思います。
まずはひび割れ誘発目地の基本的な考え方ですが、コンクリートにひび割れが入ってしまうのは仕方がない、というところからスタートしています。

・コンクリートには必ず収縮によるひび割れが入る

・かと言って自由にひび割れが入る状況では見た目が悪い

・建物の性能的にもひび割れの場所が分からないとコントロール出来ない

・だからあらかじめ「ここにひび割れが入る」という場所をつくっておく

どんなに頑張って施工をしてきちんとしたコンクリートを打設したとしても、乾燥収縮によるひび割れをなくすことは残念ながら出来ません。
実現不可能と思われる問題に挑戦していくことも大事ですが、こうして問題があることを前提としてその対処を考えることも非常に有効ではないかと思います。

そうした考え方をベースにして、ひび割れをなくすために色々と頑張るのではなく、ひび割れが入ることを前提とした計画をしていく、という考え方がひび割れ誘発目地の発想です。
鉄筋コンクリートの壁にはひび割れが発生しやすい場所というのがあります。

・動きが異なる柱付近

・窓などの開口がある部分

・大きな面積の壁

図面で表現するとこのような部分にひび割れが入りやすくなっています。

ひび割れが入りやすい部分

こうしたひび割れが入りやすい場所に誘発目地を設けて、そこにひび割れが集中して入るように計画し、ひび割れが入っても大丈夫な納まりで施工をしていく訳です。
上図にひび割れ誘発目地を入れるとしたら、恐らくこのような位置になってくるはず。

外壁に目地を入れた例

これは単純にひび割れのことを考えて入れている誘発目地ですから、もしこれがコンクリート化粧打放し仕上などで見えてくるようであれば、もう少し意匠的にも検討しなければいけませんが…
結局ひび割れが発生して見映えが悪くなるようであれば、あらかじめ誘発目地を入れておいた方が最終的には見映えが良いことになります。

こうした計画をしている建物は結構あります。

外壁目地の例

誘発目地を入れたからと言って大きく見映えが悪くなる訳ではないので、建物を長い目で見て計画していくのであれば、このように誘発目地を入れる方が正解だと思います。

建物が竣工した直後はあまりひび割れが目立たないので、建物の完成だけを考えてしまうと誘発目地は入れたくないという気持ちになったりします。
そうした気持ちは当然私にも分かるのですが、やはり建物を設計する際には、建物が運用された数年経った後のことも考えるべきだと私は考えています。

誘発目地の基本的な考え方についてはこれでだいたい説明出来たと思うので、次回は具体的な誘発目地の納まりや構造的な考え方について説明をしていきます。

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