建物の重量を支えることになる基礎は、基本的に鉄筋コンクリートで造られることになる、という話を前回は紹介しました。
基礎の上に配置される事になる柱の構造は、そのまま鉄筋コンクリートの場合もありますし、鉄骨になったり木だったりと色々あります。
しかし土に接する部分については基本的に鉄筋コンクリートで構成される事になる、という部分はどの建物でも変わることはありません。
今回はそんな基礎についてもう少し考えてみる事にして、基礎の形状にはどのようなパターンがあるのかを紹介していきます。
建物の基礎にはその形状によっていくつかのパターンがあって、大きく分類すると以下のような種類が考えられます。
□独立基礎
独立基礎というのは読んだままですが、それぞれの柱ごとに独立して基礎を設ける考え方になっていて、イメージとしてはこんな断面になります。
基礎自体は支持層に届いていなくて、そこに杭などを配置して支持層まで建物の荷重を伝達させるという考え方になる場合が多いです。
□マットスラブ
建物の平面全体を大きな基礎と考えて、分厚いスラブのような感じで全体を基礎とするのがマットスラブの考え方になります。
断面は上図のようなイメージになっていて、杭を併用する場合もありますが、支持層に直接マットスラブを乗せる場合も結構多いです。
□布基礎
この基礎は木造の建物に多く、一定の断面形状を連続させて建物の荷重を地面へと伝達させるという考え方をします。
一戸建て住宅の外壁はコンクリートが少し見えている場合が多いですが、これは布基礎が通しで見えてくるからなんです。
これらの基礎形状というのは、建物の条件によってどれがベストなのかが変わってくるので、色々な条件を考えながら検討が進められます。
まずは建物の荷重がどの程度なのかという話があって、それに加えて建物が建つ敷地の条件がどのようになっているのかが重要になってきます。
建物の大きな荷重を受け止める為には、建物の荷重を地中にある硬い地盤(支持層)に伝達させる必要があるのですが…
地中の硬い地盤がどのレベルにあるのかは敷地によって違うので、それによってどのような基礎を採用するかが変わってきます。
例えば支持層が深いレベルにある埋め立て地などでは杭が必須になりますし、支持層が浅ければわざわざ杭を施工する必要がなくなります。
それによって基礎の適切な形状が変わってくる事になるので、その条件を考えないと建物の基礎方針を決めるのは難しいです。
このあたりの判断は様々な条件が絡むので、ここでどの基礎形状が良いかなどの議論をすることは出来ませんが…
建物の地面に接する部分には水分があるため、鉄筋コンクリートが採用されることになり、その形状は地中の地盤レベルによって変わってくる、という事になります。
地面に接する部分だけは必ず鉄筋コンクリート造で構成されていて、地上階からは鉄骨造になったり鉄骨鉄筋コンクリート造になったり、という建物はたくさんあります。
もちろんそのまま地上階も鉄筋コンクリート造になる場合も多いですし、一戸建ての住宅などであれば木造に変わる場合がほとんどでしょう。
地上階の構造が鉄骨や木や鉄筋コンクリートなどの中からどのような選択肢をとるかによって、基礎との関係性と納まりは少しずつ違ってくることになります。
そのあたりの納まりパターンは今後詳しく説明していくことにします。
ここではまず、基礎と杭の基本的な考え方、そして支持層との関係などについてしっかりと押さえておくことにしましょう。
上階の構造が何かによって基礎の納まりは少しずつ変わりますが、まずは基礎の基本的なパターンを覚えてしまえば、あとはそこから何を選択するかという話になってきます。