鉄筋コンクリート造の建物では、柱や壁を鉄筋コンクリートで造っていく事になり、その為には型枠にコンクリートを流し込んでいく工事が必要になります。
コンクリートを流し込んで硬化するまでの間、型枠が変形しないままでいる為には、コンクリートの重量を意識した型枠の強度が求められます。
このあたりをしっかりと計画しておかないと、型枠がコンクリートの圧力によって膨らんでしまったり、もっと最悪の場合は型枠が崩壊してしまう可能性も。
こうなってしまうと、いくら複雑な形状の型枠を造ったとしても、コンクリートを流し込むという目的を果たすことは出来ません。
型枠が型枠としての役割を果たすことが出来ないというのはなんとも寂しい話です。
そうした残念な状態にならないようにする為には、コンクリートを流し込む前に型枠をしっかりと組み立てておく必要があります。
これはかなり当たり前の話ではありますが、実際に型枠が膨らんでしまったり、あるいはコンクリートの重量に耐えきれずに崩壊するなどは現実としてあるんです。
ただ「型枠をしっかりと組み立てておく必要がある」と言う表現は非常に曖昧で、具体的にどうすれば良いのかが全然分かりませんよね。
このあたりをもう少し具体的にする為に、今回は型枠をしっかりと固定する為の道具を紹介していきたいと思います。
型枠がずれたり壊れたりしないようにしっかりと固定する為には、実際のところどのようなものが必要になってくるのか。
これにはあまり多くの部材が必要になる訳ではなくて、以下のような部材が型枠を固定する為に使われます。
・単管パイプ
・セパレータ
・フォームタイ
型枠というのは900×1800の合板を補強したものですが、もちろんそれを並べただけではコンクリート打設時の圧力に耐えることは出来ません。
そもそも型枠同士がつながっていない訳ですから、並んでいる型枠をきちんと平らな面として構成していく必要があります。
その為に使用するのが上記の部材になります。
言葉だけで説明することに挑戦してみると…
・型枠はコンクリートを流し込む為に組み立てるものなので、型枠を対面して使うことが基本
・対面する型枠を内側からつなぐのがセパレータ
・型枠から出っ張っているセパレータの先端に取り付けるのがフォームタイ
・フォームタイを取り付ける相手として単管パイプを使用する
・こうしてコンクリートを流し込んだ際に型枠が外に向かう力に抵抗する
という感じになるのですが、言葉での説明はあまり上手くいってないですね…
こんな場合は図面を利用することにして、型枠を補強する部材として利用されるセパレータやフォームタイは、このような関係で成り立っています。
もちろん打設するコンクリートの量、つまり柱の大きさや梁の大きさ、壁の巾によって型枠にかかる力というのは変わってきます。
ですからその状況によって適切なセパのピッチは少しずつ違ってくる事になってきて、そのあたりの数値などは計算によってその都度検討をしていきます。
なので細かい寸法は場合によって色々と少しずつ変わってきますが、型枠を固定する為の納まりについては上図の考え方で大きくは変わりません。
こうした型枠の計算やセパレータのピッチを検討する計画は非常に地味なものですが、これを怠ると工事の工程や安全が確保出来なくなってしまいます。
そうなると結果としてコストも予定通りになりません。
欠かす事が出来ない重要な仕事というのは、意外に地味だったりすることが多いのですが、型枠の検討はまさにその典型的なパターンだと言えるでしょう。
地味で大変だけど絶対にやっておくべき項目、という感じですね。