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型枠の転用について

前回はコンクリート化粧打放し仕上について考えてみましたが、ちょっと個人的な好みについて書きすぎてしまったかも知れません。
デザインを重視した場合の選択肢としては悪くない仕上である事は間違いない、という事だけはここでもう一度お伝えしておこうと思います。

最近は普通の化粧打放しではなく、型枠を解体した後で木目が見えるように杉の板で型枠を作り、コンクリートに木目を見せるような仕上もあったりします。
この考え方自体は昔からあったはずですが、最近また増えてきたような感じですね。
木目入りのコンクリートはこんな見え方になります。

コンクリート杉板化粧打放し

施工者視点で言ってしまうと、こうした一発勝負の施工になってしまう仕上は、施工者にとってかなりの挑戦になるのですが…
施工中はともかくとして、建物が竣工した時には綺麗に見えますから、意匠設計者としては問題はないのでしょう。

こうした木目入りのコンクリートは思ったようにいかない場合も多いので、「コンクリートに木目を描くしかない」という状況になることもあります。
これはちょっと本末転倒な気もしますが、コンクリート打設は一発勝負なので、それに負けてしまうと選択肢は一気に少なくなってしまうんです。

これはコンクリートの仕上を見せるという考え方をした場合、当然の結果としてそのような事になるので、設計者としてもある程度覚悟をしておく必要があると思います。

□仕上としてコンクリートを見せない場合

コンクリートの素材をそのまま見せる場合でなければ、後は仕上材で隠れてしまうので、型枠にはそこまで気を遣わないで済みます。
箇条書きの最後に挙げた「仕上をしないという理由からコンクリートを見せる場合」と言うのは、一般の方が目にする可能性がほぼゼロという場所で採用されます。

特に塗装などの仕上をしないので、コンクリートが結果として見えてくるという考え方で、建物で言えば機械室とか地下のピットなどでこうした仕上になります。
この場合は確かにコンクリートが見えてくることになりますが、あえて「見せる」訳ではないので仕上という考え方ではなく、仕上ないからそのままという感じですね。

こうした最終的な仕上の区分をしていく中で、施工時に使用する型枠はその仕上の区分によって大きく変わってくることになります。
基本的に型枠はコンクリートを打設して硬化した後に解体されるものですが、解体した型枠はもう一度別の場所で型枠として再利用されるんです。

これを型枠の転用と言います。
型枠を転用する理由はいくつかありますが、大きいのは二点。

型枠を繰り返し使用することによって、余分な型枠の消費を減らしていき、その結果としてコストを削減するという目的がひとつ。
型枠は木で出来ている為、一回使ってすぐに新しい型枠を使うなどの消費をしていくと木がなくなってしまう、という環境的な部分に配慮することがもうひとつ。

こうした理由によって型枠は基本的に何度も転用されることになる訳ですが、転用した型枠を使う部分というのが「最終的に仕上で隠れる部分」になります。
転用された型枠は新品に比べるとどうしても劣りますから、コンクリート化粧打放し仕上の場合は転用された型枠を使う訳にはいきません。

コンクリートの素材を見せる打放し仕上では、綺麗な型枠を使用してセパレータの位置や型枠の割り付けなどをきちんと計画して、慎重にコンクリートを打設する必要があるということです。
事前の計画に手間がかかる事もそうですが、いくら綿密に計画したとしても最終的には施工の精度で台無しになってしまう可能性もあるので、そこが非常に難しいところ。

施工者泣かせの仕上というのはそのあたりを指しています。
ただ、人によって好き嫌いは確かにありますが、綺麗に出来上がったコンクリート化粧打放し仕上は非常に美しいものです。
なので、恐らく結構な割合で関わることになる仕上ではないかと思います。

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