鉄筋コンクリート造(RC造)を構成する要素は何かというと、ちょっと読んだままになってしまいますが…鉄筋とコンクリートということになります。
鉄筋コンクリート造を構成する要素のひとつとして、鉄筋についての基本的な話を前回までは取り上げてきましたので、次はコンクリート関連の内容を取り上げていこうと思います。
鉄筋コンクリートでは「コンクリートをどのような形状に造っていくか」という部分が、見た目の問題もありますので非常に重要になってきます。
そのコンクリート形状を決める為には「型枠」が重要なポイントになってきます。
なんだか「非常に重要」という言葉を連発している気もしますが…
型枠をどのような形状に造っていくかによって、出来上がるコンクリートの形状は変わってくることになりますから、まずは型枠について少し詳しく知っておくことにしましょう。
まずは「型枠とは何か?」という話から。
型枠というのは「コンクリートを流し込む為の型」を意味していています。
コンクリートは水とセメントと骨材が混ざり合ったものを指しますが、当然混ぜた当初は液状の柔らかい状態になっているので、その状態で型枠に流し込むことになります。
コンクリートの最終形がある程度複雑な形状になっていたとしても、流動的な生コンクリートですから型枠の中である程度自由に動いていき、最終的には満遍なく入ることに。
その後コンクリートが硬化すれば、型枠を解体してある程度自由な形状のコンクリートが完成する、というような流れになっていきます。
最終形のコンクリート形状をまずは決めて、そうした形状になる為の型枠をつくり、そこにコンクリートを流し込んでいく、という考え方ですね。
「ある程度」という表現を何度もしたのは、流動的な生コンクリートとは言え骨材やセメントなどが混ざっている関係で、完全な液体ではないからです。
複雑すぎる形状の型枠に生コンクリートを流し込んでも、隅々まで行き渡らずに途中で止まってしまい綺麗なコンクリートに仕上がらない可能性も結構あります。
そのあたりのバランスを取ることがRC造では重要になってきますが、コンクリート工事において型枠がどのように活用されるかは何となく伝わったかと思います。
型枠の材料としては、加工性や価格などを考慮して木が選定されることが多いですが、木以外の材料として鋼板や紙が選定されることもあります。
型枠がコンクリート打設後に解体してコンクリートを見せるのか、それとも型枠として残すのかなどによって、材料は適切に選択されていくことになります。
最も一般的な型枠として12mmの合板が広く利用されていて、12mmの合板だけでは強度的に不足している為、合板の裏を木材で補強したものが型枠として使われます。
補強として使われる木材のサイズは統一されている訳ではないのですが、48mm×25mmもしくは60mm×30mmのサイズが一般的ではないかと思います。
合板のサイズは900mm×1800mmなので、断面としてはこんな感じ。
この材料を並べたり切ったりという加工をしていき、最終的にはコンクリートを流し込むことが出来る状態にする、というのが型枠の基本になります。
もちろん木製型枠を並べるだけではコンクリートを流し込んだ時の圧力でバラバラになってしまいますので、きちんとした補強をする必要がありますが。
また、そうした補強をしていく中で、コンクリートの見映えにも影響を与える部材を使わざるを得ないことにもなっていくのですが…
そうした納りは鉄筋コンクリート造での基本パターンになっていて、どのコンクリートも同じような状態になりますので、そこは特に問題にはならないと思います。
そのあたりの取合いについては順番に説明をしていくことにして、ここではまず型枠の基本的なパターンを押さえておきましょう。
とは言っても型枠な木製だけという訳ではないので、次回は木製以外の型枠についても取り上げてみることにします。