前回までの話では、鉄筋コンクリート造の構造体として、柱・梁・壁の基本的な鉄筋納まりについて簡単に説明をしてきました。
簡単な図面も載せているので、これでそれぞれの部位について、鉄筋の納まりが何となくでもイメージ出来ると良いのですが…
鉄筋の納まりはぱっと見複雑な感じがしてしまい、実際に見ていくと確かに簡単ではないので、どうしても敬遠してしまいがちなのはよく分かります。
でも、それぞれの部材によって鉄筋の配置はある程度決まっているので、じっくりと見ていくと、それ程複雑ではないことが分かって来ます。
敬遠されがちなので、全ての人が深い知識を持っている訳ではない、というのが鉄筋の現実だと思いますが、だからこそ覚えることに価値がある訳です。
なかなか説明も上手くいきませんが、出来るだけ分かりやすい説明をしていきますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。
鉄筋には場所によって色々な呼び方があって、主筋・帯筋・フープ・肋筋・スターラップなど、同じ部位でも幾つかの呼び方があるというのが困ってしまいます。
このあたりが最も覚えにくい部分ではありますが、実際の鉄筋配置パターンはそれほど多くはないので、それぞれの構造体毎に納まりを覚えてしまう事を当サイトではお勧めします。
呼び方は多少間違っても大丈夫で、打合せなどをする際に少し恥ずかしい思いをするだけなので、呼び方うよりも納まりの考え方を優先的に覚えてしまうのが良いです。
私も未だに「フープ」と「スターラップ」の使いどころを間違えたりしますが、まあそれほど大きな問題にはならないですから。
あまり偉そうに書くことではないですけども…
もう少し先の仕上関連についての説明で出てくると思いますが、建具の「見付」と「見込」の呼び方を結構頻繁に間違えたりもします。
どうしても言葉がしっくりこないというか覚えられないというか、建築関連の専門用語はなかなか難しいものがありますよね。
これは恐らく私だけではないはず。 多分。
こうした呼び方の間違えはさておき、肋筋とスターラップのように同じものを指して違う呼び方をするのは、説明をする上では混乱のものになるので困りものです。
このカテゴリでは「鉄筋コンクリート造」と「RC造」の表現が混在しているのですが、これもまあ似たよう話ですよね。
出来るだけ分かりやすさを重視したいので、当サイトでは帯筋ではなくフープ、肋筋ではなくスターラップという呼び方に統一をしようと考えています。
実際の仕事でもこれらの呼び方を使う方の方が多いような気がしますし、やっぱりカタカナの方が帯筋と肋筋よりは覚えやすいかなと思うので。
私だけかも知れませんが「肋筋」と言われてもちょっとピンと来ないし、梁が「肋筋」ではぜ柱は「帯筋」なのか、というのも気になります。
それならば「スターラップ」と「フープ」の方が分かりやすくて良いかなと思っています。
こうした呼び方をきちんと覚える事もそれなりに大事ですが、それよりも、それぞれの鉄筋がどのように配置されていくのかを覚えておく事のほうが重要です。
これは先ほども少し書いた通り、実際に仕事をしていく中での事実だと思います。
基本的な納まりについてきちんと覚えておけば、たとえそれぞれの部位についての呼び方を間違えてしまったとしても、それ程大きな問題にはならない、という事です。
もちろんしっかりと覚えている方が良いに決まっていますが、物事を覚える優先順位を間違えないようにしたいところです。
ちょっと変な話になってしまいましたが、次回は鉄筋の基本的なルールである「かぶり」と「定着」そして「継手」について説明をしていきます。