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防火区画と入巾木の関係

LGS+石膏ボードの壁に入巾木を採用した場合、石膏ボードを巾木上で止める必要がある為、壁として求められる性能を満たせなくなる場合がある。
前回はそのような入巾木の問題点を取り上げてみました。

意匠的に入巾木にしたいとか、入巾木にした結果少し納まりが悪くなり隙間が空いてしまうとか、最終的な見映えが悪くなったりとか。
そうした意匠上の話は思ったようにいく場合もあるし、思ったような見せ方が出ない場合もあるという感じで、それ程重要な部分ではありません。

もちろん意匠設計者にとって建物をどう見せるのかというのは非常に重要な部分なので、それ程重要ではないという表現は良くないのですが…
それでも建物に求められる性能という観点で見れば、入巾木と建具枠の取り合い部分に少し隙間があっても、それほど大きな問題とは言えません。

ただ、建物に求められる性能を満たすことが出来なくなる、という話であれば、それは重要度が少し違ってくるもの。
まずは基本的な性能を満たすことを目指して検討を進めていき、それが満たせることを前提として、出来るだけ見た目を良いものにする検討をする。

これが建物の納まりを検討する際の基本ルールです。
その前提が満たせなくなるような納まりでは、ちょっと意匠的に良いとか悪いとか言うような話ではなくなってしまいます。
それでは困ってしまうので、まずはその前提を満たすことが出来るように調整していく事が重用になってきます。

という事で…
問題になるのは具体的にはどのような断面になるのか、そうした問題を解決するにはどういった納まりにしていけば良いのか。
今回はそのあたりの話について色々と説明をしていこうと思います。

まずはLGS+石膏ボードの壁で耐火性能や遮音性能が必要な場合、どのような納まりになるかについて考えてみると…

決められた石膏ボードの仕様をまもり、足元の床コンクリートから上階の床コンクリートまでを、決められた仕様の石膏ボードでふさいでいく。
コンクリート取り合いにはきちんと塞ぎ用の耐火シールなどを施していく事が求められていて、それを満たしてようやく耐火壁として成立する事になります。

火災時の炎から人命を守るために用意される防火区画ですから、壁の仕様としてはかなり厳密な基準があるのは当然のことだと言えるでしょう。
LGS+石膏ボードの耐火壁には色々な種類が用意されていますが、それらの壁全てに共通して言えることは、以下の約束事になります。

・決められた石膏ボードの仕様を守る

・足元の床コンクリートに立てる

・上階の床コンクリートまで伸ばす

・コンクリートとの取り合いは耐火シール処理

ちょっと回りくどい説明になってしまったかも知れませんが…
入巾木の納まりを採用した場合、石膏ボードを切り欠く必要があるので、上記の条件を満たすことが出来なくなってしまう、という話です。
耐火間仕切りの足元は基本的に以下のような納まりになっています。

LGS耐火壁の足元納まり

決められた仕様の石膏ボードを張ることと、床・壁・上部床に対してきちんと処理をすることではじめて耐火壁として認められる訳ですが、この耐火壁を単純に入巾木納まりにした場合はこうなります。

ボード枚数が不足する為耐火壁にならない納まり

これが例えば金属巾木などであれば、切り欠いた石膏ボードの代わりにステンレスの板があるから、耐火性能としては問題ないのでは? と言いたくなってしまいます。
しかしLGS+石膏ボードの耐火間仕切りは、石膏ボードを決められた枚数貼った状態で耐火認定を受けているので、イレギュラーな納まりはNGなんです。

まあこれは当然の話で、ちょっと切り欠いた部分にステンレスの板があるから良いとか、そうしたその場所ごとの納まりで耐火間仕切としての性能を判断することなど出来ません。
その場合はどう納めるかというと、まずは耐火間仕切り間違いなく成立させておき、その上にもう一枚石膏ボードを貼って、そこに切り欠きを入れる納まりしかありません。

耐火壁+入巾木の納まり例

施工者的な考え方をすると、石膏ボードを余分に一枚貼っていく必要がある納まりになるので、コスト的にもちょと避けたい納まりになっている、という感じです。
やむを得ない場合には上図のような納まりを採用するしかありませんが、出来ればこうした「もう一枚貼るか」的な無駄は避けたいところです。

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