天井下地である軽量鉄骨を固定する為の吊りボルトは、基本的に上階の床コンクリートに固定されることになりますが、その具体的な納まりはどのようなものか。
前回はそのあたりについて少し詳しく説明をしてみました。
天井インサートと呼ばれる器具を上階の床コンクリートに打ち込んでおくことによって、天井下地である吊りボルトを確実に固定していく。
こうした納まりの考え方は非常にシンプルで良いのですが、事前に天井インサートを打ち込んでおく必要性があるという問題もあります。
とは言っても、トータルで考えれば天井インサートを入れておく方が手間やコストが少なくて済むので効率的という結論もあります。
そうした色々を考えていく中で、結局は天井インサートをあらかじめ入れておく検討をしていく事になるはずなので、まずはその流れを覚えておきましょう。
今回はそうした天井インサートを上階床コンクリートに入れる際に、検討しておいた方が良い項目について説明をしてみます。
天井下地の納まりでここまで検討や調整が必要かというと、設備との絡みもあるので、かける手間とのバランスが微妙になってしまうかも知れませんが…
とりあえず検討の手順として正解と思われるやり方をまずは紹介しておき、現実とのすりあわせをしていくことになると思います。
その為には少なくとも、まず基本的な流れを知っておく必要があるので、今回はそのあたりの考え方について紹介をしていくことにします。
まずは基本的な考え方として、天井下地である吊りボルトは、天井がある部屋でのみ必要になってくる、という点がひとつあります。
例えば機械室やPSなどの天井が必要ない部屋であれば、天井インサートを入れても意味がありませんので、そうした部屋は除外します。
つぎに吊りボルトを下ろしていくピッチですが、野縁受けの基本ピッチは900mmになるので、吊りボルトも同じピッチという事で900mmnピッチという事になります。
また、吊りボルトは壁の端部から150mm程度のところに必要になってくるので、900mmピッチの他に、壁から150mmの部分にも吊りボルトが必要という事に。
・天井がある部屋に対して
・基本は900mmピッチで
・壁から150mm以内の部分にも
という考え方で吊りボルトを配置していくことになる訳です。
建物の規模によって当然違ってくるのですが、天井インサートを入れる場合には、かなりの数量になってくるという事が何となく分かってきます。
ひとつの部屋を例に出してみると、このような感じで天井インサートは配置されていくことになる、という感じです。
ここまでがまずは基本パターンで、次にその基本パターンが崩れる場合について考えてみると、以下のような状況が考えられます。
・梁が邪魔で天井インサートが入らない
・鋼製型枠のリブがあって入らない
・天井インサートを入れても下にダクトなどがあって使えない
こうした状況にならないように、という目的で天井インサートの配置を細かく検討していく、という話が理想的な納まりとしてはあるんです。
ここでなぜ「理想的な話としては」という表現を使ったかと言うと、そこまで厳密に検討していく効果があるかが微妙である場合もあるからです。
ちょっと吊りボルトについての説明が長くなりすぎていますが、検討項目としては結構重要なポイントであり、設備との関係もこれでイメージが出来るはずなのでもう少し続きます。
次回はそんな天井インサートの配置を調整する項目を、どこまで検討していくか、というあたりの話をしてみたいと思います。