前回は石膏ボードに後から貼るだけでOKという仕上材を取り上げてみて、具体的な商品名としてはDボードの特徴と納まりを紹介してみました。
表面が化粧された仕上材を貼っていく、というのは仕上工事としては非常にシンプルな状態なので、施工も比較的簡単になります。
しかも表面が非常に美しく、色や柄の選択肢も豊富になっているので、コストが許せばという条件がありますが、積極的に採用していきたい仕上材です。
Dボードで表現される木目などの見た目は、やはり塗装ではなかなか表現する事が難しいですから、場所によってはDボードしかないという状況もあったりします。
今回はそうした仕上材についての話を続けることにして、メラミン化粧板とアルポリックの特徴などを紹介していきたいと思います。
まずはメラミン化粧板からです。
□メラミン化粧板
メラミン化粧板には様々な商品があるので、一部の商品名だけを紹介するのが難しいのですが、メラミン樹脂を高圧でプレスした化粧板になります。
ダイノックシートと同様見た目のバリエーションは非常に多く、しかも厚みが3mm程度と薄くて施工性が良いという特徴を持っています。
納まりは結局Dボードと同じく石膏ボードに接着貼りになるので、板の厚みが違うだけの納まりになるので、下図のような関係になります。
シンプルな納まりですが仕上がりは非常に綺麗なので、最近はトイレの壁などで非常によく見かけるようになりました。
ちょっと昔であればトイレの壁はタイルが多かったのですが、最近はこうした仕上材の方が多くなっているのではないかと思います。
Dボードにも同じ話が言えますが、こうした塩ビ系の化粧材が進歩してくると、本物の木を壁に貼る機会がかなり少なくなっていくような気がします。
実際の話として、こうした説明を書いている今現在でも、余程のこだわりがない限りは本物の木を壁に貼っていくことは少なくなってきています。
プリントされた木目の仕上材を使うことが良いことなのか、それとも悪いことなのか、という判断を私がすることは出来ませんが、少なくとも効率化はされています。
見た目が美しくて施工もスムーズであるのなら、それは少なくとも悪い方向に向かっているのではないのではないか、と思います。
□アルポリック
Dボードもメラミン化粧板も、もちろん単色の柄もありますが、選定する柄の多くは木目になる場合が多いことになると思います。
しかしここで紹介するアルポリックという商品はそれとはちょっと違っていて、アルミパネルの外見を持っている仕上材になるんです。
アルミカットパネルは基本的に全てアルミで出来ています。
…と、ちょっと当たり前の事を書いてしまいましたが、なぜこのような事を書いたのかと言うと、アルポリックはちょっと違うからです。
樹脂製のコア材をアルミの薄い板でサンドイッチしているので、アルミを使用している量はアルミカットパネルよりも圧倒的に少なくなります。
と言うことはつまり、価格はアルミカットパネルよりも安価になる事になり、見た目はアルミパネルに見えるという良いところ取り状態に。
とは言っても、心材が黒っぽい樹脂になるので、目地部分をよく見ると樹脂が見える状態になっているので、天井仕上材で使った方が良いかも知れません。
もちろん壁仕上材としても使えるので、小口以外は本当に美しい仕上になりますから、コストの事を考えるとメリットは非常に大きいと思います。