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浮き床の特徴と納まり

前回は特殊な床下地によって床コンクリートを下げておくパターンとして、OAフロアの特徴とその納まりについて説明をしてきました。
納まりとしてはかなりシンプルなOAフロアですが、事務室など部屋の用途によっては欠かせない納まりになってくるはずです。

どのような建物を設計しているかによって割合が違っては来ますが、人が集まって事務的な業務をする部屋がない建物というのはそうそうありません。
そう考えていくと、OAフロアが存在しない建物というのはそれほど多くはない、という事になるはずなので、良くある納まりという事で覚えておくことをお勧めします。

ちなみにOAフロアという呼び方は、名前がかなり違いますが「フリーアクセスフロア」という呼び方になる場合もあります。
名前が違うのだからちょっと違う納まりになるの? という気がしてしまいますが…

呼び方が違うだけで、配線スペースにどの程度の高さが必要になるのか、OAフロアの材質や仕様がどの程度必要なのか、というあたりを検討することに違いは全然ないです。

さて、OAフロアについての話はひとまず完了しましたので、特殊な床下地の話として、今回は「浮き床」についての話をしていこうと思います。

浮き床という表現をすると、床が宙に浮いているというイメージになるかと思いますが、もちろん実際に浮いている訳ではありません。
ただ、一般的な構造体である床からは縁が切れている、という意味合いで「浮いている」という表現を使っているのだと思います。

浮き床というのは何かというと、通常の構造体から縁を切って納めている床の事を指している、ということになる訳です。
構造体と縁を切ると言っても完全に構造体から離れている訳ではなく、振動を吸収するゴムやグラスウールなどの防振材を入れておくことになります。

言葉では分かりにくいので図面にしてみるとこんな感じになります。

防振浮き床納まりの例

こうした浮き床工法は割と手間がかかるものですが、そこまでしてなぜ通常の構造体と縁を切るかというと、主な理由は防振と防音の効果を高めるという目的があるからです。
音というのは空気の振動ですから、防振と防音はほぼ同じ意味合いを持つことになっていて、結局は防音性能を高めるために浮き床を計画するということになります。

こうした目的で計画される浮き床ですから、建物の中でどのような部屋に対して浮き床が検討されるかを考えてみると、恐らく目的は二種類あると思います。

・振動が出る部屋を浮き床にして音が漏れていく事を防ぐ

・周囲の騒音を出来るだけシャットアウトしたい部屋で浮き床を採用する

音の発生源になる部屋を浮き床にするのか、あるいは周囲の音を入れたくない部屋を浮き床にするのか、という二通りの考え方がある訳です。

振動と音が出る部屋から音が漏れないようにする、という考え方であれば、機械室などが浮き床の対象になってきます。
また、逆に周囲の音をシャットアウトしたい場合もあって、そうした場合には放送スタジオなどが浮き床の対象になります。

建物の中に、周囲の構造体から完全に縁を切っているゾーンをつくるというのは、実際にやってみると分かりますが結構大変なものです。
床だけを考えるのであれば浮き床工法を計画すれば良いのですが、壁とか天井がある部屋の場合はどのようにそれらを固定していくのかを考えないといけません。

そういう意味では、天井がなくて壁の見た目も特に気にしない機械室の浮き床は、割とシンプルに納めることが出来ます。
しかし放送スタジオなどの場合はそうはいかず、床も壁も天井も綺麗に仕上げる必要がありながら、構造体とは縁が切れてないとダメという難問になる訳です。

もちろん防音のグレードによって考え方も変わってくることになりますが、壁や天井などの納まりを考えて縁切りをしていく必要がある部分は結構大変だと思います。
今回は床仕上だけを取り上げるので、浮き床の基本的な納まりだけをここでは紹介して終わりにしておくことにします。

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