床仕上材の納まりによって床コンクリートレベルを下げておくパターンの他に、特殊な床納まりによってもう少し床コンクリートを下げておく検討が必要な場合があります。
そうした種類の特殊な納まりとして、アスファルト防水の納まりと排水溝の納まりによって床コンクリートを下げておく、という納まりパターンを前回は紹介しました。
水に絡む納まり検討が上手くいかないと、実際後の処理が大変になる傾向にあります。
というのはかなり控えめな表現で、水廻りの納まりがきちんと出来ていないと、後でその修正に膨大な手間とコストがかかる事になってしまいます。
うまく水が流れないとか、思わぬところに水がたまってしまうとか、もっと最悪の場合は水が漏れるとか、あまり良くない方向に話が進んでいく可能性が高い訳です。
一度そうなってしまうと解決するまでにかなりの労力が必要になるので、出来れば最初からきちんとした検討をしておく事をお勧めします。
アスファルト防水についての話は前回で終わりましたので、今回は特殊な床納まりのひとつとして、OAフロアと呼ばれる床下地の特徴や納まりを取り上げてみたいと思います。
まずはOAフロアとは何か、という話から。
OAフロアは簡単に言ってしまうと、電源ケーブルとかLANケーブルなどを自由に移動させる為に、床下スペースを確保しておく納まりの事を指します。
床下に配線スペースを確保するという事はつまり、床コンクリートと床仕上材の間に配線スペースが必要になるという事を意味しています。
なので、もう少し正確に表現すると、配線用床下スペースを確保する為に使用される床下地材を指してOAフロアと呼ぶ、という事になる訳です。
床下に配線スペースが必要な部屋ということになるので、部屋の用途としては事務室やサーバールームなどでOAフロアは採用されることになります。
オフィスビルのテナント部分などは、どのような机のレイアウトになっても問題ないように、ほぼ間違いなく全面がOAフロアになっているはずです。
OAフロアのイメージはこのような感じになります。
床コンクリートを配線スペースの為に下げておいて、上記のような金属系の床下地材で嵩上げをしていくという考え方が基本になります。
この金属系の床下自在を指してOAフロアと呼ぶのですが、もちろん取り外しと持ち運びがしやすいように500mm×500mm程度の大きさになっています。
この500mm×500mmというサイズは、OAフロアの上に敷くことになるタイルカーペットやビニル床タイルと同じ大きさになっています。
そうすることによって、部分的に床仕上材を剥がしてOAフロアを剥がすという作業が誰にでも簡単に出来るようになっている、という感じです。
もちろん机のレイアウトを変更して床コンセントの位置を変えたいという場合には、ある程度大きな範囲の床仕上材とOAフロアを剥がす必要がありますが…
それでも床コンクリートの上に直接タイルカーペットが敷いてある場合に比べると、配線の自由度が全然違うので、最近の事務室やオフィスビルなどは間違いなくOAフロアになっているはずです。
OAフロアには様々な仕様があって、部屋のグレードや使用目的に合わせてその仕様を選択していくことになります。
・高さ
・材質
・耐荷重
上記のような選択肢の中から、部屋の目的やコストを考えて適切なOAフロアを選定していくことが必要になります。
とは言っても別にそれほど難しい話ではありませんので、メーカーのカタログを見ながら「こんな仕様が良いか」という感じで選んでいけばOKです。
OAフロアの基本的な考え方についてはこんな感じです。
次回は引き続きOAフロアの話という事で、OAフロアの具体的な納まりについて説明をしていこうと思います。