前回は石材の床仕上材に適した表面処理である、ジェットバーナー仕上(JB仕上)とジェット&ポリッシュ仕上(J&P仕上)を紹介しました。
多くの人が利用する事になる建物では、利用者が怪我をしない事も大きな要素になってくるので、やはり床の表面処理は防滑を優先する必要があるんです。
JB仕上とJ&P仕上のいずれも、床仕上材の表面処理として頻繁に使用される事になると思いますが、石材の表面処理はもっと色々な種類があります。
と言うことで、今回はそれらの表面処理についても説明をしていきたいと思います。
□ウォータージェット仕上
ウォータージェット仕上は石の表面処理方法のひとつで、考え方はジェットバーナー仕上に近いのですが、表面をバーナーではなく水圧によって凹凸を作っていく工法になります。
ジェットバーナー仕上やジェット&ポリッシュ仕上に比べると、石の色調がよりはっきりと表現されることになるので、石材の種類によってはこの表面処理を使うこともあります。
□ショットブラスト仕上
石の表面に対して直径1mm程度の鉄球をあてることによって凹凸を作る、という表面処理方法で、ジェット&ポリッシュ仕上よりも比較的柔らかい表面を持つことになります。
このあたりの表面処理について、その雰囲気の違いを私の文章だけで表現するのは、結構大変なことだと思っていましたが、まさにその通りでした…
□サンドブラスト仕上
ショットブラストでは直径1mm程度の鉄球をぶつけていましたが、それよりも細かい砂を石の表面に吹き付けるのがサンドブラスト処理になります。
鉄球よりもさらに細かい粒を吹き付ける事によって、石の表面をさらに細かい凹凸にする事が可能で、それによって表面の雰囲気を変えることが出来ます。
石の表面に吹き付ける粒の大きさによって最終的な仕上面の雰囲気が変わってくるというのは、考えてみれば当然かも知れませんが面白いですよね。
ちなみにこのサンドブラスト仕上というのは、石材の表面処理というだけではなく、もっと色々な用途で使われたりします。
例えばガラスの表面に柄を付けたり文字を記入したりする際には、このサンドブラスト処理が採用されることもあります。
石材の表面処理には全然関係ない話でしたが…
石材の表面を焼いたり何かを吹付けたりすることによって凹凸を付ける、という考え方の表面処理はこのあたりで終わりです。
表面処理の工法には色々な種類があることが分かりますが、写真ではなかなか伝わらないというもどかしさが結構ありますね、これは。
読み返してみると「柔らかい仕上になります」みたいな表現ばかりで、どんな違いがあるのかが全然説明出来ていない気がします。
ボキャブラリーにも限界がありますが、表面の細かい質感などについては、やっぱり写真ではなかなか伝わらないものです。
なので、これらの違いを自分の知識にする為には、実際に自分で表面処理された石を色々見て、実際に触ってみる事が一番効果的ではないかと思います。
私もウォータージェット仕上とショットブラスト仕上の違いを、表面処理された現物を見て区別出来るかどうか、正直なところ自信はありません。
これは説明している側の私も含めての話になりますが、こうした知識というのは本物に積極的に触れることが大事なのだと思います。
言葉でも写真でも区別が難しいということは、やはり自分の目で見て、自分の手で触れて覚えていくしかないということなのでしょう。
次回ももう少しだけ石の表面処理についての話が続き、人の手で石の表面を処理していく工法について紹介をしていくことにします。