床仕上の納まり方針などがなかなか決まらない場合は結構あって、だけど鉄骨などの製作リミットは確実にある、という場合にどう対応していけば良いのか。
こうした問題には「これ」という確実な解決方法がないというのが現実ですが、それでも出来るだけ正解に近いと思われるやり方で進めるしかありません。
方針がどちらか決まらない、というような状況があったとしても、それを後まわしにしても問題ないような構造体にしておく事が理想的です。
納まりの方針が決まらない事を想定しておき、どのような納まりになっても大丈夫なように対処しておく、というのがプロの理想的な仕事ではないかと思います。
…と、さらっと書いていますが、これがそう簡単に出来ることではないのはプロの方の方がよく分かっているはずで、「簡単に言うな」という声が聞こえてきそうです。
こうした調整は本当に難しくて、まさに「言うのは簡単ですが実行は非常に難しい」事の典型的な例ではないかと思っています。
施工者の立場で考えてみると、決定していない部分については後々まで選択肢を残しておくような納まりにしておいた方が良いと思ってしまいます。
しかしもちろんそれはコストとの兼ね合いもあるので、全部の箇所でそのような判断を下すことは非常に難しいと言うしかありません。
施工者としては極力無駄なコストを減らしていきたいと考えているので、そのあたりをしっかりと押さえておき、結果としてどのような方針で進めるかを判断する。
その際に適切な判断をする為には、やはりまず納まりの基本をしっかりと理解して、段階的に決めていくようなやり方を知っておくことが重要だという結論になります。
うーん…
床仕上についての説明をする前に、まずは床仕上の種類が構造体に及ぼす影響が大きいという話をどうしても伝えておきたかったのですが。
思ったよりも話が長くなってしまいましたね。
検討を進める優先順位などについても色々書いている中で、なかなか具体的な床納まりの話に進まないのが気になっています。
検討の優先順位などの話をするよりも前に、私自身が納まりの説明についての優先順位をきちんとしておかないとダメかも知れません。
こうした反省は私が個人的にやっていく事にして、ここでは具体的な床納まりの話に進んでいくことにして、まずは床仕上についての大まかな分類をここではやってみることにします。
床仕上材には色々な種類があって、素材がどうなのかはともかくとして、色とか柄を全部ここ紹介するのは物量的に恐らく難しいところです。
この床仕上材には白と黒と赤と青と…とかを当サイトで説明しても、床の納まりには全く影響がないので、あまり意味がない説明になってしまいます。
なので、まずは床仕上材を大きく以下のような分類にしてみると、色とかは関係なく分かりやすくなってくるのではないかと思います。
・薄くてコンクリートに直接施工する床仕上材
・ある程度厚みがあって仕上代が必要な床仕上材
・床仕上材の下に何かを仕込んでおく必要がある場合
床仕上材の素材がどんなものかとか、柄とか色がどのようなパターンなのかはさておき、まずは床仕上材の厚みに注目していくという考え方ですね。
床仕上材の厚みによってコンクリート天端レベルや梁天端レベルなどが決まってくる事を考えると、こうした区分は結構正解なのではと思います。
こうした床仕上材の分類を押さえておくことで、床コンクリートをどのようなレベルに設定しておけば良いのかが分かってきます。
もちろん納まりの内容自体も把握していく必要がありますが、その為にもまずはこの分類の主旨をきちんと押さえておきましょう。