床仕上材として石がどのような特徴を持っていてどんな納まりになっているか、という話を進めてきましたが、思ったよりも長くなってしまいました。
でも話が長くなってしまった分だけ、石についての色々なことを取り上げることが出来たので、それはそれで良かったのかも知れません。
話の長さを誇ってもあまり意味がないので、石についてはこれで終わりにして、今回からは別の床仕上材についての話に進んでいくことにしようと思っています。
床仕上材として石の次に取り上げたいのはタイルです。
タイルは見た目が石に似ているので同じような納まりだと勘違いしてしまいがちですが、根本的な部分から違っているので、一緒だと考えると上手くいきません。
と言うことで、石の仕上納まりはきちんと覚えておいて、今回はタイルが持っている特徴と納まりの考え方について新たに覚えてしまいましょう。
まずはタイルという仕上材が持っている特徴にはどのようなものがあるのか、という点から考えてみることにしましょう。
それぞれの項目については改めて説明をしていくことにして、ここではまずタイルが持っている特徴を箇条書きにしていくことにします。
・材料や作り方などによって幾つかの種類に分かれる
・床だけではなく壁に貼るタイルもある
・色はカラフルなものも多く選択肢は非常に多い
・表面の質感も色々選ぶことが出来る
・それぞれの商品によってサイズが決まっている
・サイズが決まっている為タイルに合わせて色々考える必要がある
・厚みがある商品なので床コンクリートのレベル調整が必要
タイルが持っている特徴はこんな感じになります。
幾つかの種類に分かれていて色などの選択肢も多く、表面の質感も色々と選択出来る、というあたりの話は石にちょっと似ていますよね。
床コンクリートを下げておく必要がある、という部分も同じです。
しかし石とタイルで決定的に違っている部分があって、それが「それぞれの商品によってタイルのサイズが決まっている」という点です。
これは違いとしては少しに感じてしまう部分かも知れませんが、見た目を考えて計画していこうとした時には、この違いは非常に大きなものになるんです。
石は巨大な原石を板状の石にスライスしていき、スライスされた石の大きさと材料としての強度、運搬や施工などを考慮した適切なサイズに切っていきます。
つまり、あまり非現実的な大きさには出来ませんが、どの程度のサイズに石を加工していくかをある程度計画して決めていくことが可能なんです。
しかしタイルというのはメーカーが大量生産しているものがほとんど。
そうやって大きさを決めてしまわないと大量生産など出来ませんので、これは当然の事で、例えば300mm×300mmのタイルであればそのサイズだけが大量にある状態になります。
ちょっと350mm×350mmのタイルにしたい、と思っても、メーカー側が用意しているラインナップに存在すれば選択は出来ますが、なければ諦めるほかはありません。
ある程度制限はあるものの、自由に大きさを決めて工場で加工してくる石に対して、商品を決めた瞬間大きさが自動的に決まってしまうタイル。
この違いは結構大きくて、例えば石であればある程度自由なサイズに加工が出来るので、色々な位置に石の目地を合わせることが出来ました。
例えばアルミカーテンウォールの方立に石の目地芯をもってくる、などのやり方が事前に計画すれば問題なく実現する事が可能です。
しかしタイルではサイズがあらかじめ決まっているので、タイルのサイズに方立の位置を合わせないとそこまで合っては来ません。
もちろんタイルを現場でカットすることも可能ではありますが、タイルはそのままの大きさで並べていく方が綺麗なので、変にカットするのはあまりお勧め出来ません。
床仕上材としてタイルが持っている特徴、そして石との考え方の違いについてはこんなところで終わりにしておきましょう。
次回はタイルの大まかな区分について取り上げていくことにします。