鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物では、構造体の中心に鉄骨が入っていて、その周囲に鉄筋コンクリートを配置していくことになります。
という表現は鉄骨を主体に考えた場合で、鉄筋コンクリートをメインで考えた際には、鉄筋コンクリート造の芯に鉄骨が入っているとも言えます。
関係性としてはどちらも同じ事を指していて、鉄筋コンクリート造と鉄骨が絡む部分で色々な検討が必要になってくる、という話がありました。
検討する項目は色々とありますが、今まで説明してきた部分については、もう本当に基本的な部分の検討という事になると思います。
細かい部分まで検討していくにはもう少し時間が必要ですし、それを全てひとりで検討していくのは非常に困難ではないかとも思います。
もちろん知識として持っておいた方が良いというのは間違いない訳ですけど、そこまで細かい説明をしていくよりも、当サイトでは次の話に進んでいく事を優先していきます。
もっと細かい部分まで掘り下げていくよりも、まずは一通りの納まりについて知っておく事の方が重要だと当サイトでは考えています。
これは何度も同じことを書いている気がしますが…
「狭いけど深く掘り下げた知識」も大きな武器にはなりますが、「ある程度の深さで広範囲の知識」を持っている方が良いと当サイトで考えます。
もちろんそうなるには結構な時間と膨大な労力が必要になりますが、それを注ぐだけの価値がそこにはあると信じている訳です。
と言うことで、SRC造についての説明はもう少しで終わりになるという話でした。
ここで急にSRC造の納りについての話戻りまして…
SRC造の床コンクリート納りがどのような考え方になっているか、というあたりの話を今回は取り上げてみることにします。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の床納りというのは、基本的には鉄筋コンクリート造(RC造)と同じ考え方で納りを検討していくことが出来ます。
コンクリートを打設する為に型枠を用いる、という考え方がSRC造もRC造も同じですから、床の納りとしても以下の様な共通項目が挙げられます。
・特に問題ない場合鋼製型枠が採用されることが多い
・型枠に載せることになるので梁の側面に10mm程度の増し打ちが必要
という事で、こうした基本的な考え方は既にRC造の納りで説明をした内容と同じで、中に鉄骨があるかどうかだけの違いしかない状態です。
RC造と違ってくるのは、例えば床コンクリートのレベルが梁に対して下がっている状態で、スラブ筋の定着が鉄骨梁に干渉してしまう可能性がある、という部分。
ただ、たとえ上図のような関係になっていたとしても、スラブ筋を曲げていくことによってSRC梁に定着することが出来ますから、特に大きな問題にはなりません。
という事は、SRC造になったからと言って、それほど新しい話がある訳でもないので、あまり説明することがないという状態になってしまいました。
よくよく考えてみると、SRC造であってもRC造であっても、スラブに鉄骨を入れる訳ではないので、納りが同じパターンになるのは当たり前の事でした…
あえて難しい納りにする方向で説明する必要もないので、最後にSRC造の梁とスラブが取り合う一般的な納りを紹介して終わりにしたいと思います。
SRC梁と床型枠との関係は、上図のように割とシンプルになる場合が多いので、まずは基本的な部分をきちんと押さえておけば問題はないはず。
床に段差がある場合の納りなどは、基本的に鉄筋コンクリート造(RC造)の場合と同じですから、そのあたりの話はRC造についての解説でおさらいをしてみてください。