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SRC造の基本的な考え方

まずは鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の基本的な考え方から説明してみると、SRC造の基本は以下のような考え方になります。

・鉄筋コンクリート造の構造体に鉄骨が入っている

・鉄骨造の構造体を鉄筋コンクリートで巻いている

二通りの表現をしましたが、読んで頂ければどちらにしても同じ意味になっていることが分かると思います。
図面と絵で表現するとこんな感じになります。

SRC造のイメージ

鉄骨と鉄筋コンクリートを合わせた構造ですから、鉄骨が中で鉄筋コンクリートが外という関係性になるのはごく自然なことだと思います。
鉄骨とコンクリートが逆になるパターンはちょっと想像しにくいですから、一般的にはH鋼の鉄骨を鉄筋コンクリートで巻いていく関係性になっています。

ただ、鉄骨と鉄筋コンクリートの関係がSRC造とは逆になる考え方もあって、コラム柱の中にコンクリートを打設するCFT構造がそれにあたります。
構造の選択肢としては、S造・RC造・SRC造に比べるとかなり少ないので、あまり一般的とは言い難い構造ではありますが、世の中には色々な考え方があるものです。

CFT構造というのは以下の頭文字を取った言葉で、それぞれの単語の意味をたどっていくとイメージが何となく出来てくると思います。

Concrete : コンクリート

Filled Steel : 充填鋼

Tube : 管・筒

ただし今回取り上げたいのはあくまでもSRC造なので、CDT構造についてはもう少し後で取り上げることにして、話をSRC造に戻します。

こうしたSRC造の特徴は、S造の特徴とRC造の特徴をあわせ持つもので、それぞれの短所をカバーする優れた性能を持っています。

・剛性の強い鉄骨を芯に入れることにより、RC造に比べて構造体の断面を小さく出来る

・鉄筋コンクリートを巻くことにより、S造に比べて座屈に対する剛性が強い

・鉄筋コンクリートを巻くことにより、S造に比べて耐火性能が高い(耐火被覆が不要)

・鉄骨工事と鉄筋工事と型枠工事が入るため、工期は長くなる傾向にある

・色々な工種が入り工期が長くなる関係で、コスト的には有利とは言えない

メリットだけを見ると鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて優れているので、鉄骨鉄筋コンクリート造を選びたくなってしまいますが…
色々と複雑な事をすると工期がかかりコストが増えてしまうというデメリットもあって、無条件で選定出来る工法ではないことが分かります。

建物の条件によってはSRC造が持っている特徴が上手く発揮できる場合もありますし、その逆の場合も当然あるという感じです。
結局はRC造とS造とRC造でそれぞれ得意な分野が少しずつ違っているので、それぞれの建物に合っている構造を選定することがベストだという事です。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)では、基本的に鉄筋コンクリートの中に鉄骨を入れ込むという考え方をすることになります。
コンクリートの中に鉄骨と鉄筋が同居(というのも変な表現かもしれませんが…)することになるので、鉄骨と鉄筋の関係をきちんと明確にしておく必要がある。

…というあたりが、SRC造の納まりが難しいという要因になっています。

RC造の納まりを検討する際には、柱の主筋と梁の主筋が干渉しないかどうかを確認して梁の寄りなどを調整する必要がありました。
しかしSRC造の場合には、鉄筋同士の納まり検討にプラスして、鉄筋と鉄骨の関係がどうなるかも調整しておく事が求められます。

もう少し具体的に言うと、梁の主筋が通るよう鉄骨に穴を開けておく必要がある、という事で、こうした検討に手間と時間がかかるんです。
鉄骨に穴を開けるのは工場ですから、S造の建物で問題になってくる「鉄骨を工場で製作する為に早めの検討が必要」という話がSRC造でも適用されることに。

納まりは複雑だけど鉄骨を早めに工場で製作する為に検討を急ぐ必要がある、という事で、このあたりの話は次回にもう少し続きます。

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