SRC造である事によって、鉄骨のピースについて検討をする必要がなくなり、外装建具の取り付け納まりなどの検討が後で済むようになる。
これは割と地味なメリットではありますが、作業の優先順位を常に意識している方にとっては非常に嬉しいメリットだったりします。
忙しく仕事をしていく中では、業務の優先順位を付けていく事が何よりも重要になってくる事になって、後に出来る業務をその場で忘れることも大事なポイントです。
この優先順位を意識していないと、せっかく後で検討しても大丈夫な部分なのに、最初にじっくりと検討を進めてしまうなどの無駄が発生してしまいます。
検討項目が多くしかも時間があまり取れない鉄骨関連の仕事で、こうして優先順位を間違えてしまうというのはかなり大きな失敗になってしまいます。
もちろん検討する事自体が間違いという訳ではなくて、その作業を進めた結果として、今必要な別の作業が進まない事が問題になってくる訳です。
自分でやるべき仕事のボリュームは非常に多くて大変だけど、時間が足りないせいでそれぞれの仕事に集中出来ず、結果として仕事のクオリティが低くなってしまう。
これは非常に残念な状態ではありますが、優先順位を間違えてしまうとそうした方向に進んでしまいがちなので注意が必要です。
大変だけど仕事の質が低いままというのは、頑張っても報われないという事ですから、プロとして非常にフラストレーションがたまる状況ですよね。
仕事が大変な状況は場合によっては結構あったりしますが、大変な仕事をして報われない状況に耐えられる人はそう多くはいないはず。
そんな状況に耐えられるようになる必要はありませんが…
建築のプロとして自分で出来る事は、作業のリミットを把握して優先順位を間違えないように進めていくことしかありません。
そこまで順番を見極めてきちんと仕事をこなしてもなお、仕事量が多すぎて仕事の質を確保出来ない場合には、間違いなく必要な人員が足りない状況です。
その状況を個人の頑張りで何とかしてしまう、というのは結構ある話ではありますが、それが良い事かどうかは結構微妙なところだと言えます。
プロとしてある程度限界を超えた作業量に挑むことは、スキルアップという側面から考えると決して悪いことではないと私個人は考えています。
そうすることによって、一時的には大変な状態になったとしても、それが終わればプロとして苦労をした分だけスキルアップが出来ていたりしますから。
作業のボリューム多くなってもう限界、という状態になると、必要に迫られて極限まで無駄な作業をそぎ落としていくことになります。
と言うか、無駄をそぎ落とすしかない状態になるので、普段は必要だと思われる作業でもばっさりと切り落とす事が出来たりします。。
一見必要そうに見えて実はやらなくても済む、という仕事は実際には結構多く、やることがたくさんある状態だとそうした無駄をそぎ落とすしかなくて、それが仕事の効率化につながる訳です。
これを繰り返すことによって、プロとしての仕事をこなす力というのは確実に増えていくことになって、スキルを高めるという観点から考えると非常に有効になる場合もあります。
もちろん必ずしもそうなる訳ではないし、そこまで限界を経験しなくてもスキルアップは可能ですから、わざわざそんな状況を求める必要はないですよ。
しかし現実としてそうした忙しい状況というのは存在するので、そうした状況に直面した場合には、自分の為だと思って乗り越えてみる事をお勧めします。
時には一瞬だけでも全力疾走をしてみると、意外と効果があったりするものです。
と思わなければやってられない、というのが正直な気持ちだったりもしますけど…