今までのカテゴリでは、建物の構造として鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)について色々と説明をしてきました。
建物の構造について語る際に、絶対欠かす事が出来ない要素として鉄筋コンクリートと鉄骨があって、まずはその二つを取り上げた訳です。
鉄筋コンクリートと鉄骨という二種類の構造について知った後は、それらの要素を組み合わせた構造についても知っておく必要があります。
と言うことで、このカテゴリではいよいよ鉄骨鉄筋コンクリート造、いわゆるSRC造と呼ばれる構造を取り上げようと思います。
「いよいよ」という表現を使うとかなり特殊な構造なのかも、という気がしてしまいますが、実際にはよく採用される構造なので特殊という訳では全然ありません。
ただ、鉄筋コンクリート造と鉄骨造を組み合わせた構造ですから、どちらか一方だけの構造よりも複雑になることは間違いなく、そういった意味で「いよいよ」という表現を使いました。
鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)を組み合わせた鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)には、構造体として様々なメリットがあります。
しかしその反面、納まりとしてはかなり複雑なことになる場合が結構あります。
なので、おそらく設計者も大変ですし、施工者側で鉄骨などの図面を検討する事になる方も、なかなか大変な思いをすることになるのではないかと思います。
こうして大変な役割を担う為には、そもそもSRC造の知識を持っていないと経験することが出来ませんので、このカテゴリではSRC造について色々と書いていきたいと思います。
納まりが複雑で大変…
こうした話を聞くと身構えてしまう方もいると思います。
私もやっぱり仕事でSRC造の建物を担当する場合があるのですが、そうなった場合には少し身構えてしまったりします。
今回はSRC造か…みたいな感じで、少なくともテンションが上がる要素としてSRCというキーワードがある訳ではない、というのは確実です。
しかし現実として鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べると納まりが複雑なことは事実なので、これはもう仕方がないのかなと思っています。
ただ、必要以上に難しそうだと考えて身構えてしまうと、それほど難しくない要素でも難しく捉えてしまい、知識が入りにくくなってしまいます。
それでは難しい要素が余計に難しくなってしまうので、少し複雑な納まりになっている、程度の認識で色々なことを覚えていくのが良いのではないかと思います。
確かにSRC造の納まりは難しい部分が多いです。
これは事実ではありますが、難しいだけにきちんと理解をして覚えてしまうと色々な部分が本当に分かってくる、というメリットもあります。
これは何事でもそうだと思いますが、誰でも理解出来るような簡単なことをやるよりも、誰もやりたがらない面倒で難しいことにこそチャレンジする価値がある、という事でしょう。
偉そうなことを書いている私自身も、例えば次に担当する業務がSRC造の鉄骨関連すべてと言われたら少し憂鬱になるかも知れませんが…
これは施工者側の図面担当をする方の立場で書いていますが、実際にそうした立場で仕事をしている方であれば気持ちは結構分かると思います。
色々と検討しておく必要があることが多いので、施工者としてSRC造の鉄骨を担当すると、やはり気を抜けなくて疲れてしまうんですよね…
最初から「難しいですよ」というニュアンスで脅かしても仕方がないのですが、そんな感じのSRC造ですから少し解説としては細かい部分が多くなってくるかも知れません。
出来るだけ分かりやすく説明していけるように努力しますので、どうか最後までお付き合い頂けると嬉しいです。