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構造図の特記仕様書

今回からしばらくの間、構造図を構成する図面の種類について、それぞれ簡単に説明をしていこうと考えています。
今回紹介するのは特記仕様書です。

意匠図を構成する図面について説明をした際にも特記仕様書は登場しました。
建物を構成する仕上材の品番などについて、図面では表現しにくい情報を特記仕様書の文字情報によって補完していく。
これが意匠図の特記仕様書が持っている役割でした。

構造図の特記仕様書も似たような役割を持っていて、構造図を構成する図面だけでは表現しにくい情報を特記仕様書で表現していく事になります。
また、構造体を構成するコンクリートや鉄筋や鉄骨などは、ある程度決められたルールのようなものが存在します。

具体的な例としては、鉄筋を曲げる際にはどのような径で曲げていけば良いのかとか、先端にフックを付けるかどうかなどの基本ルールです。
こうした情報をそれぞれの図面で毎回「鉄筋の曲げはこのルールで」と記載するのは大変なので、最初にこうしたルールを表現しておいた方が分かりやすいです。

そうすれば構造設計者も楽だし、施工をする側としても、最初に基本的な考え方が示されていた方が楽で分かりやすいです。
構造図の特記仕様書はこのような使い方をします。

先ほども例に出しましたが、鉄筋を曲げる際の基本ルールというのは、どのような建物の場合でもそれ程変わることがありません。
例えば梁の断面として下図のような表現をする場合を考えてみると…

梁配筋の仕様

上図で梁の上下主筋とスターラップの仕様が分かります。
梁の鉄筋について詳しい説明がまだ出来ていないのに、こうした例を出してしまいましたが、主筋とスターラップについてはこんな関係になっています。

梁配筋を記入した状態

これで鉄筋コンクリート梁を構成する鉄筋の仕様は分かりましたが、実際に施工をする際には、鉄筋を直角に曲げるようなことはやりません。
というか、鉄筋を直角に無理矢理曲げてしまうと、恐らく鉄筋は折れてしまうので、強度としては弱くなってしまいますよね。

構造体を構成する鉄筋にそのような事は出来ないので、ある程度余裕をもって鉄筋を曲げていくことになる訳ですが…
そのあたりの情報は上図を見ても分かりません。

という事で、そうした図面だけでは判断できないような情報をきちんと示していく事が特記仕様書の役割になります。
上図で鉄筋コンクリート梁を構成する鉄筋の仕様が分かって、特記仕様書で鉄筋を曲げる際のルールが分かる、という感じです。

特記仕様書の鉄筋曲げ部分

鉄筋の曲げについて、特記仕様書では上図のような感じの記載があります。
鉄筋径や仕様によって最低曲げ半径が決められていて、それを守って現場では鉄筋を組み立ててください、というような事が書いてある訳です。

こうした基本的な考え方というのは、実際に現場で鉄筋を組み立てる人にとって当たり前の事だったりする訳ですが…
それでも建物の構造体についての方針を示している構造図にきちんと記載しておく、というのは非常に重要な事になります。

鉄筋の曲げというのはひとつの例で、こうした構造体を構成する為の基本ルールというのは色々な部分や種類であるものです。
それらの細かい部分について、丁寧に基本ルールを示していくのが特記仕様書の役割になります。

鉄筋を加工する為の基本ルールとか、鉄筋の最小かぶり寸法などは、ある程度ベースとなる基本ルールが存在するので、恐らく毎回似たような特記仕様書になると思います。
実際には構造設計者も毎回特記仕様書を使い回しているのが現実だと思いますが、だからと言ってその基本ルールを守らなくて良い訳ではありません。

構造図を見る際には、まずこの特記仕様書をじっくりと見ていき、その後で様々な図面を見ていく、という順番で読み進めていく事をお勧めします。

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