RC造でもSRC造でも採用される鉄筋というのは、実際の形状を見ると表面が凸凹していてコンクリートに付着しやすいようになっています。
シンプルに表面がツルツルしているよりも、凸凹していた方が強そうだというのは何となくイメージで考えても納得だと思います。
上記が丸鋼と異形鉄筋になりますが、どちらがコンクリートに対して付着しやすいか、というのは言うまでもありませんよね。
この考え方はなにげにかなり重要な要素なので、もう少し具体的な話をします。
異形鉄筋の径を意味する呼び方は「D10」とか「D19」など、直径をあらわす「D」が頭につくことになりますが、今回は「D10」を例にとって考えてみましょう。
「D10」と呼ぶ鉄筋は、特に深く考えない場合には、直径が10mmの鉄筋というような意味合いがあるのですが、細かい数字を気にしていくと少しだけ違うんです。
「D10」などの表現を指して「呼び径」と呼び、ある程度の大きさを示すもので、実際の最大径は呼び径よりも少し大きくなる傾向にあります。
鉄筋の納り検討では、呼び径ではなく最大径で検討する方が現実的。
異形鉄筋は実際には凸凹している訳ですけど、納まり検討で鉄筋を凸凹形状に表現するのは大変ですし、あまり意味がない苦労という事になります。
鉄筋納まり検討をする際に異形鉄筋の節を入れるとリアルな感じになるので、作図をする側としては満足感があるのですが、納まり検討という意味では自己満足としか言えません。
異形鉄筋の凸凹を検討図の通りに配置するなら話は別ですが、もちろんそんな事はないので、検討図で凸凹を表現するのは非現実的なんです。
鉄筋の納まり検討をする際には、それぞれの鉄筋径に対して最大径のラインで鉄筋の関係性を検討をしていくことになります。
なので、検討図を作図する側としては、呼び径に対して鉄筋の最大径を覚えておくことがまずは重要になってきます。
D10 公称直径 9.53mm 最大外径 11mm (+1mm)
D13 公称直径 12.7mm 最大外径 14mm (+1mm)
D16 公称直径 15.9mm 最大外径 18mm (+2mm)
D19 公称直径 19.1mm 最大外径 21mm (+2mm)
D22 公称直径 22.2mm 最大外径 25mm (+3mm)
D25 公称直径 25.4mm 最大外径 28mm (+3mm)
D29 公称直径 28.6mm 最大外径 33mm (+4mm)
D32 公称直径 31.8mm 最大外径 36mm (+4mm)
D35 公称直径 34.9mm 最大外径 40mm (+5mm)
D38 公称直径 38.1mm 最大外径 43mm (+5mm)
細かい数値を羅列してしまいあまり分かりやすくないかも知れませんが、それぞれの呼び径に対して最大外径がいくつになるのかを上記に示しました。
これらの数値を全部暗記するのは大変なので、少なくとも呼び径の鉄筋サイズにはどのような数値があるのかだけは覚えておきたいところです。
D10から始まって+3されていく、という覚え方をしたいところですが、どうした事かD25から次のサイズになる場合に限って+4されているという気持ちの悪さが…
まあこういうものだと思って覚えてしまうしかありませんが、数字の流れを考えるとD28じゃないのかよ! というツッコミを入れたくなります。
最大外径については、法則という程大げさなものではないのですが、呼び径に対してのプラス数値が二段階毎に+1mmされていくという関係になっています。
例えば呼び径D25の鉄筋であれば細い方から6番目になるので+3mmする、というような覚え方が分かりやすいかどうかは微妙ですが、少なくとも私はそうやって覚えてます。
鉄筋の呼び径に対して最大径がいくつになるのか、という数値を踏まえて鉄筋納まりの検討図を作図していくことに実際はなります。
なので、まずは上記の数値の中で「呼び径」と「最大外径」の関係を覚えておくことにして、それを踏まえて次のステップに進んでいきましょう。