手描きからCADになって時点で、図面は紙ではなくデータで管理するようになり、原図の保管などの苦労がなくなりました。
もちろんこれは業務として非常に便利になり効率化したのですが、データにはデータの苦労があって、これで全て解決という話には残念ながらなりません。
という事で、今回は図面をデータで管理する場合の問題点について考えてみることにします。
図面をデータで管理する場合、図面をコピーして編集したり、メールで離れた場所にいる方に送ったりすることが出来て非常に便利です。
ベースとなる図面を上手く利用することによって、別の図面を効率良く作図していくことも可能になるので、色々な図面に展開していく事が可能になります。
ただ、これらはCADのデータを利用する上で便利に感じる部分であって、データを利用する上で困ってしまう状況というのも当然出てきます。
・データが消えてしまうと何も出来ない
・データの管理が煩雑になりやすい
CADデータを扱う上で困るのは上記の二点で、要するに「図面データをきちんと管理していく必要がある」ということになります。
対策としては、定期的にバックアップを取ることと、最新データを編集する際のルールをきちんと決めて徹底することなどが挙げられるでしょう。
こうした対策はデータ管理の基本といえば基本なのですが、仕事ですから当然忙しかったり、たくさんの人が図面データを編集するような状況だったりする訳です。
そうした状況になってくると、基本的な事だと思われるデータの管理もかなり難しくなってしまい、きちんと管理されていない状況が続くと色々なトラブルが発生する可能性が高くなります。
朝図面を開いてみたら昨日修正したはずの箇所が元に戻っていたり、そもそもデータがどこかに行ってしまい行方不明になっていたり…
CADを使って図面を作図する仕事をされている方であれば、そうした状況は何度か経験したことがあるのではないかと思います。
もちろん紙ベースの図面であっても紛失の危険はありますから、データになったから急に紛失する可能性が高まったという訳ではありません。
しかし実際にデータを取り扱ってみると、紙の図面を図面ケースに収納している場合と違い、データというのはかなりあっさりと消えたり移動してしまうものだということが分かります。
図面データのファイルを開こうとして間違ってドラッグしてしまうと、あっさりと素面データが別の場所に移動してしまうとか。
もしくはフォルダごとどこか別のフォルダに丸ごと移動されていたりなどの経験は、図面データを扱っていれば何度か経験したことがあるのではないでしょうか。
CADデータで図面を管理していくという事自体は非常に便利なことなのですが、データが消えてしまう危険性もやはりあるという事です。
実際に図面データが消えてしまうと、色々と面倒な事になってしまいますし、それを復旧するにはやはり大きな手間が必要になってしまいます。
図面がCADデータになっているというのは非常に便利ではあるのですが、その取り扱いは慎重にやっていく必要がある、という事をここではお伝えしておこうと思います。
これは実際痛い目にあってようやく痛感する事ではありますが、そうした教訓もしばらくすると忘れてしまい、結局また同じような痛い目にあったりします。
そうならない為にも、データのバックアップは習慣にしてしまい、やるとかやらないなどの選択肢を与えないことが重要ではないかと思います。
まあ実際にはなかなか難しいことではあるのですが、いざという時の保険をかけておくことは非常に価値がある事なのでぜひバックアップを習慣化する事をお勧めします。