建物の中で水を使っている場所というのはある程度限られてきますが、逆に水を使わない建物というのは恐らく存在ないのではないかと思います。
そうした水廻りについての設備をどのように計画していくか、というのが衛生設備になります。
建物に発生するトラブルは色々ある中で、雨漏りとかどこからか水が漏れるとか、あるいは水が流れないなど、水に関するものは非常に多いものです。
出来るだけそうしたトラブルが発生しにくいように考えていく、というのは経年劣化もあるのでなかなか難しいのですが…
水廻りの設計を担当する衛生設備というのは建物にとって非常に重要な要素になってくる。
毎回どの設備でも「非常に重要」と書いている気もしますが、水廻りが建物にとって重要だという事は間違いなく事実だと言えます。
計画していない部分に水が長期間たまっていると、虫の発生や悪臭やカビなどの問題に直結していき、水漏れトラブルからさらに別の問題に発展していく場合もあります。
そうした水廻りの検討というのは、建物にとってやはり欠かす事が出来ない要素であると言えるのではないでしょうか。
建物利用者にとって水というのは蛇口から当たり前のように出てくるもので、排水口に向かって水が流れていくのも当たり前という認識でいると思います。
こうした話は当たり前という認識でいて良いはずですが、そうした当たり前を実現する為に衛生設備で色々と計画していくことになります。
水は基本的に高いところから低いところに流れていき、少しでも穴が開いていればそこから流れていくという性質を持っています。
こうした水の性質を設計段階や施工段階で気にしておかないと、建物が完成した後で水に悩まされる事になってしまいます。
低いところにたまってしまった水が自然になくなる為には蒸発を待つしかありません。
しかしたまった水が蒸発するにはある程度の時間が必要になるし、その間に次の水がそこに注がれないことが前提条件になります。
そんな都合の良い条件はあまりないので、水が自然に蒸発することを建物の計画として期待する訳にはいきません。
非常に当たり前過ぎる話ではありますが、に建物内で使用する水は高低差を考慮しつつきちんと排水していく必要がある、という事になります。
ものすごく当たり前の事を書いている気もしますが、建物内で必要のないところに水を漏らしてしまう訳にはいきません。
その為に排水する為の配管などをきちんと検討しておく必要があります。
建物に中にある機械や仕上材などは、一度でも水に濡れてしまうと壊れたり汚れたりして、その性能を発揮することが出来なくなってしまうものも多いです。
特に機械的なものがある場合には、その機械が濡れてしまい故障するなどの事態は絶対に避けるように計画していく事が求められます。
例えば医療機器だったり、サーバーであったり、もっと身近なところで考えればオフィスで使用しているパソコンなどだったり。
こうした水に濡れてしまうと困る器具というのは結構たくさんあって、実際は室内で濡れることを全然心配しないで日常的に使っているものです。
そうした器具を水に濡らすことなく使用するには、排水の配管をきちんと計画していく事が求められる事になります。
そう考えると、求められる場所にきちんと水を供給してその水をきちんと排水していく計画をする衛生設備の役割は非常に重大だと言えるでしょう。
…ちょっと建物内に水を入れないようにする事について色々書きすぎてしまいました。
似たような話ばかりになってしまいくどい内容になってますね。
こうした話はもう終わりにして、次回からは衛生設備の具体的な内容について取り上げていく事にしましょう。