建物を造っていく上で施工者が検討していく項目について今まで色々書いてきましたが、そうした検討事項は本当に色々あってボリュームも多いです。
それだけに、上手く計画して段取りよく進めることが出来れば、請負金額の単位が大きい分だけ利益も上がってくるというものです。
ただ、施工者としてやるべき事が多すぎるため、その全てをこなそうとすると仕事が夜遅くにまでなってしまう傾向にあります。
そうなってしまうと、いくら仕事だとは言っても、ちょっと健全な生活とは言い難いような気がする場合もありますが…
それは建築業界以外の業界であっても、ある程度までは同じような話があるのではないかと勝手に想像しています。
私は建築業界以外の仕事をよく知りませんから「どんな業界でも忙しさは一緒」とか断言することなんて出来ないのですが…
それでも、簡単で短時間に済ますことが出来て、なおかつ知識が必要なく誰でも出来るような仕事では面白みに欠けて退屈してしまう気がします。
少なくとも建築関連の仕事は、設計者であっても施工者であっても、全力でぶつかっていく価値のあるやりがいのある仕事だと思っています。
まあ「やりがい」というのが便利な言葉ですから、その曖昧な言葉だけでキャパシティを超えすぎた仕事量を任されるのは困りますが…
そういった困った状態にならない為に、ひとりではなく複数の人が同じプロジェクトで仕事をすることになって、チームを組んで建物の竣工に向けて頑張っていく訳です。
もちろんチームとは言っても人によって経験や知識やモチベーションなどが違っているので、人数が増えるだけでは済まない場合もありますが…
そうは言っても一人で全ての仕事をこなせる訳ではないので、チームを組んで仕事を進めていく事になるのは当然のことだと言えるでしょう。¥
チームを組んで建物の竣工を目指して一緒に仕事をしていくと、様々な個性を持った人がいて、その性格や能力も全然違っていることが分かるので面白いです。
皆が自分と同じモチベーションと能力を持っている訳ではない、という事を理解しないと時には空回りすることになったりして…
まるで自分の事を書いている気もしますが、チームを組んで仕事をしていくと、一人で進めた場合には出来ない色々な経験が出来るはずです。
さて…少し話がそれてしまいましたが、ここでは施工者が現場で作成する図面について簡単に取り上げてみることにしましょう。
施工者が建物の施工を効率良く進めていく為には、設計図をベースにしながら図面を作図していく必要があり、その種類は結構たくさんあります。
以前も書きましたが、設計図はあくまでも建物をどのような形で出来上がるのか、という完成形を示したもので、あまり具体的な内容を含んだ表現はされていません。
もちろん設計図の中にも色々な詳細図が入っているのですが、それが全て今のプロジェクトにマッチしている訳では残念ながらないので、それをベースにした検討が必要になるんです。
大抵の設計図では一般的な詳細図が並んでいて、良く言えば今までの経験が生かされた詳細図になっていて、悪く言えば今までの使い回しだったりします。
そうした詳細図では、それぞれがそのプロジェクトの特徴に合わせて連動していたりする訳でもないので、そのあたりの調整を施工者側で進めていくという感じです。
もちろん設計図がどの程度の図面になっているかは、設計者がどの程度設計図の作成に力と時間をかけたかによって変わってくるものです。
なので、場合によっては細かい部分まで検討が行き届いている場合もありますが、大抵の場合はそこまで検討が進んでいるのは少ないと思います。