前回までの説明では、施工一式を請け負うゼネコンがどのような業務を担当するのか、というあたりについて考えてみました。
様々な工事をそれぞれ分割して専門企業に発注していく役割を持っているゼネコンですが、そうした業務は必ずしも楽なものではない、という事です。
そもそもそんなに楽な仕事であれば、無駄を省いていく効率化作業を進める中で、必要のないポジションという事で仕事がなくなってしまうとは思いますが…
現在そうなっていない以上は、やはりゼネコンは重要な役割を担っているのではないかと私は思っています。
ゼネコンの大変さばかりを最近書いているような気もしますが、実際に見ていると本当に大変な業務だと思ってしまいます。
今時流行らないのかも知れませんが、ものすごい働き方をしている方が結構いて、その超人的な耐力と情熱には本当に感心しています。
さて、今回はそんなゼネコンに対比する言葉として「サブコン」という言葉があるので、サブコンとは何かというあたりについて話をしてみたいと思います。
サブコンという言葉にはどんな意味があるのかというと、工事の中で専門的な分野を部分的に請け負う企業、というような意味合いがあります。
subcontractor : 下請け業者
ゼネコンが工事一式を請け負う企業であるのに対して、サブコンがその中の一部の工事を専門として請け負うという感じになる訳です。
ちょっとストレートな表現になりますが、サブコンという言葉には下請け業者という意味があって、工事一式を請け負うゼネコンとセットでよく使われる言葉になります。
工事一式を請け負ったゼネコンは工事を様々な分野に分類していき、それぞれの工事を専門としている企業にそれぞれの専門工事を発注していきます。
このあたりの話は以前も取り上げた通りです。
こうして専門的な工事を請け負う企業を指して「サブコン」と呼ぶ訳ですが…
一般的には設備工事を専門とする企業をサブコンと呼ぶことが多く、逆にそれ以外の企業をサブコンと呼ぶことはあまりない気がします。
例えば建築工事一式の中で、建物の杭を施工することを専門とする企業をサブコンと呼ぶことは少なく、単純に協力業者などと呼ばれたりします。
今時のゼネコンは色々なところに配慮していますから、専門的な工事を発注する企業を「下請業者」と呼ぶことはしない場合が多いです。
下請けというと上下関係があるようなイメージがありますから、そうした感じを前面に出さない為の配慮ではないかと個人的には思っています。
実際には工事を依頼してお金を払う側と、工事を依頼されてお金を受け取る側に分かれる訳ですから、どうしても対等な関係というのが難しいものがあります。
こうした現実がありつつも、必要以上に上下関係を強調したくない、という考えがゼネコン側にはあるのかも知れません。
どういった企業までをサブコンと呼ぶのかの解釈には少し巾がありそうな感じですけど、当サイトでは電気・空調・衛生などの工事を専門としている企業をサブコンと呼ぶことにしています。
先ほども書きましたが、杭工事や鉄骨工事、建具工事などを専門とする企業はサブコンではなく「協力業者」と呼ぶことにします。
企業の呼び方についてのルールはこのあたりにしておき、次回からはもう少しサブコンが受け持つ業務や契約のかたりなどについて考えてみることにします。