前回のカテゴリでは設計者の役割や具体的な業務の分担などについて説明してきました。
建物を建てていく大きな流れとしては、まずは設計者が建物の基本方針を決定して、その方針を元にして施工者が実際に建物を造っていくという流れになります。
という事で…
設計者によって様々な方向から検討された建物の計画に沿って、実際に施工を進めていく事で建物を完成させていくプロセスを担う、施工者の役割。
このカテゴリではこのあたりについて説明をしていこうと考えています。
施工者の仕事というのは実際にところ非常にたくさんありますから、私としても書いていきたいことが結構あります。
なので、ちょっと話が長くなってしまいそうな気がしていますが、長くなるにしても無駄がないように気をつけていきます。
まずは施工者の役割についてざっくりとして説明から。
シンプルな表現で施工者の役割を表現してみると、設計者が発行する設計図をベースにして建物を実際に造っていく、というような内容になるかと思います。
ただ、自分でざっくりとした説明をしておいて書くことではありませんが、これだけではなかなか施工者がどんな事をやっているかを伝えることは出来ないのではないかとも思います。
そうした理由から、このカテゴリではこうした大雑把な説明ではなく、もう少し具体的で細かい説明をしていければと考えています。
施工者の役割について順番に細かく書いていくと、恐らくかなり盛りだくさんの内容になっていくのではないかと思いますが…
私の知識とスキルが及ぶ限りは出来るだけ分かりやすく、かつ細かく色々な説明が出来ればと良いなと考えていますので、どうぞ最後までお付き合いお願いします。
まずは施工者について説明する際に取り上げておきたいのが、建物を施工していく仕事を請け負う企業についてです。
実際に建物を施工する役割を受け持つ事になるのは、一般的には「ゼネコン」と呼ばれる企業という事になります。
・施工を請け負うゼネコンというのはどんな企業なのか
・ゼネコンというのはどのような意味を持っているのか
・ゼネコンは実際にどのようにやり方で施工を進めるのか
・全ての工事をゼネコンが直接やっていくものなのか
ゼネコンについて説明していく際には、それに付随して上記のような疑問点が出てくると思いますが、そうした細かい話は後で個別に取り上げていくことにします。
建物を建てようとしている施主から、ゼネコンが建物を建てるプロジェクトの工事全般を請け負う、というところから建物の施工は始まります。
まずはこれを最初に覚えておきましょう。
設計者と施工者がどのような関係性でプロジェクトを進めていくのか、というあたりの話については、以前設計者の役割について説明した際にも少し触れました。
設計者が発行する設計図をベースにして、施工者はそれを基本的に遵守して工事を進めていくことになり、工事中には監理という役割を設計者が担う、という流れです。
ただ、それぞれの立場で良い建物を造ろうとしていく中で、設計者と施工者という立場の違いから、どうしても意見の食い違いが出てくる場合もあります。
設計者も施工者も最終目標は「良い建物を造る」というゴール地点を見据えていることに違いはありませんが、そこに至るまでの過程には色々な考え方がありますから。
設計者は最終的な見た目や建物のグレード感などを重視していきますが、施工者は実際に施工出来るのかとか、コストを重視していく、というあたりのスタンスが少し違っているんです。
どちらが正しくてどちらが間違っているとか…
いくら議論をしても結論が出そうにない話をここでするつもりはありません。
設計者と施工者とでそれぞれ立場が違う為に意見が異なるのは当然のことで、それについてどちらが正解かなどを考えてもあまり意味がないですから。
ただ、今回は施工者側の役割について色々と紹介をしていく訳ですから、施工者側からの目線で少し話を進めてみたいと考えています。