前回は建物の骨組みである構造について設計をする構造設計者の業務と、その業務が建物にとってどれだけ重要なのか、簡単に説明をしてみました。
もちろん建物にとって重要ではない項目というのはなくて、どんな要素でも建物を構成する為の重要な要素になるのですが…
それでも建物の構造を検討する構造設計の重要性が高いという事実が変わることはありません。
建物のデザインや使い勝手の良いプランなども重要な要素ではありますが、その前の話として、建物が倒壊しないという事が前提条件となります。
そうした条件を満たす為に必要となる構造設計は、やはり建物にとって絶対に欠かす事が出来ない項目だと言えるでしょう。
建物を設計する際の分野は色々あって、それらの種類について説明していくと、構造設計の次に説明しておくべきなのは意匠設計になるかも知れません。
まずは建物の骨組みである構造設計があり、次にその構造体を隠しつつ見映えの良い建物にしていく意匠設計がある、というような流れです。
ただ、意匠設計が担当する業務というのはかなり多いんですよね…
当然説明する内容も多岐にわたる為、ひとまず意匠設計についての説明は最後にまわす事にして、ここでは電気設計についての説明をしようと考えています。
建物に関わる各種設備の設計について説明をした後で、改めて意匠設計について取り上げることにするので、少しだけお待ちください。
ということで、今回は電気設計の業務について説明をしていくことにします。
電気設計者が担当する業務として何が挙げられるかというと、建物の電気設備に関する設計を、他の設備と調整しながら進めていく事です。
電気設計だから電気設備の設計をするというのは当たり前の話ですけれど…
ただ、そもそも電気設備というのは何か? という話もあるので、まずはそのあたりについても考えてみる事にしましょう。
電気設計とは、恐らく何となくイメージとして分かるかとは思いますが、ざっくりと言ってしまうと建物で使用される電気に関する全てです。
これでは大雑把すぎるのでもう少し具体的に説明をすると…
その中でもっとも分かりやすいのが照明設備で、天井や壁に取り付けられる照明器具が電気によって周囲を明るく照らしていく、という設備になります。
私の説明が上手くないせいで、なんだか妙に難しい雰囲気になっていますけど、実際照明器具というのはとても身近な存在になっていますよね。
例えば事務室などで仕事をしている時に、仕事が遅くなって周囲が暗くなってきた時に、照明が全然点灯しないと仕事も何も出来なくなります。
夜ではなくても、曇りの日などで太陽光が窓からあまり入らない状況であれば、昼間であっても照明が必要になってくるはず。
身近で分かりやすい例として照明設備を挙げてみましたが、実際の電気設備には様々な設備が含まれているんです。
照明器具に供給する電源として、建物の外から電気を引き込んできて、それを全館に巡らせるというのも電気設備という事になります。
パソコンも携帯電話も非常に便利なツールですけど、そもそもの話としてコンセントから電源が供給されないと何も出来ません。
電気設備がどれだけ重要で欠かせないものなのかは、停電の時にどれだけ不便かを考えれば実感出来ると思います。
これらは一例に過ぎなくて、電気設備が受け持つ工事の種類は非常に多彩なものがあります。
電気設備が受け持つ業務についての話は次回に続けることにして、もう少しだけ具体的な例を挙げていくことにします。