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外部で採用する金属について考える

建物の納まりを検討する際には、外壁廻りの検討を優先していくことによって、建物の性能を確保することが出来る、という話を前回は紹介しました。
まずは建物の中に雨水を入れないようにすることが一番重要で、建物のデザイン的な検討はその性能が間違いなく確保出来てからの話になります。

この優先順位を間違えてしまうと後で大変な思いをすることになるので、建物にとって何が重要なのかをきちんと押さえておきましょう。
とは言っても、雨漏りが発生した際に対応をする事になるのは施工者ですから、設計者として優先したい項目は施工者とはちょっと違ってくることになるとは思います。

設計者にとっては、施工者が外壁まわりの納まりを検討して雨水が入らないように調整する事が、もう当たり前の状態になっているのではないかと思います。
当たり前になっているからこそ、そこに時間をかけていくのではなく、もっとデザインを重視していく部分の検討を進めたいと考える訳です。

そんな認識の違いがあるかも知れませんが、それでもやはり止水ラインをきちんと構築していく事が重要なポイントである事に違いはありません。
施工者としてこれは当然のことではありますが、止水の納まりによって建物の見た目が変わる場合もありますから、設計者もしっかりと意識をしていく事をお勧めします。

ただ、検討の優先順位としては外壁まわりが一番であることは間違いないけれど、建物の見た目も重要な要素であることは間違いありません。
建物の中に水が入らなければそれで全てがOKという話ではありませんので、早めに外壁まわりの納まりをクリアして、建物のデザインという次のステップに進みたいところ。

外壁を金属パネルにした例

外壁まわりの納まりで見た目に影響する要素について考えてみると、外部に使用する金属として鉄を採用する場合にちょっと注意が必要になります。
鉄は基本的に錆びてしまう材料ですから、常時雨水に晒される事になる外部では、鉄の表面に塗装をしただけの仕上材を採用するのはお勧め出来ません。

もちろん建物が出来上がった当初は鉄でも見た目としては問題はないのですが、やはり長期間外部にある鉄はどうしても錆びてしまうので、やめた方が良いでしょう。
仕上材として鉄を避ける際には幾つかの選択肢がありますが、コストと見た目に影響が出てくるものですから、どのような材料を選定するかをしっかりと考えておく必要があります。

・アルミを採用する

・ステンレスを採用する

・溶融亜鉛メッキ処理をする

・ZAM鋼板を採用する

外部に鉄を採用する場合には、基本的に上記のような変更をかけた方が良いのですが、何の影響もなく変更出来る訳ではありません。
それぞれ変更する際の条件を知っておいて、その場に適した考え方で変更していく、というのが一番良いのではないかと思います。

アルミやステンレスを採用する場合には、どちらも焼付塗装仕上げが出来ますから、見た目は鉄を採用した場合とほとんど変わらない状態になります。
アルミの曲げパネルはちょっと曲げ部分がゆるい感じになってしまうので、鉄の場合と完全に同じにはなりませんが、それでも最終的な見た目はそれほど大きく変わりません。

この変更をすることによって、アルミもステンレスも錆びにくい材料になりますから、鉄とは違って長期間外部にあっても問題がない状態になります。
ただ、コストは鉄よりも高くなってしまうので、そこまでの対応が必要なのかを考えてみて、場合によってはこの選択肢を選ばない場合も多いかと思います。

見た目として塗装された金属を見せたい場合には、やはりアルミもしくはステンレスを選定していくしか手はありません。
コストは高くなる方向になってしまいますが、後で錆びてしまうよりも全然良いので、先々の事も考えて材料を選定していく事をおすすめします。

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