建物の構造として今まで三種類の構造、鉄筋コンクリート造と鉄骨造、そしてその組み合わせである鉄骨鉄筋コンクリート造を紹介してきました。
建物というのは、人がたくさん利用したり、家具などを常に配置していく事になりますから、常に大きな荷重が建物にはかかってきます。
それに加えて地震や台風など、建物の外からかかる大きな力に対しても耐える必要があるので、かなり強固になっている事が求められるはず。
そんな建物の構造体として採用される部材ですから、鉄とかコンクリートなど、強固で変形しにくい材料が採用されるのは自然なことなのでしょう。
鉄やコンクリートなど、強度のある部材で建物の骨組みを構成することによって、建物として様々な力に抵抗していく事になる訳です。
ある程度の強度を持っている部材を建物の構造とする、という考え方をすると、今回は少しその主旨から離れてしまうかも知れません。
という事で、今回紹介する建物の構造は「木造」になります。
これはやはり読んだままの内容になりますが、建物の構造体を「木」で構成している構造という事になる訳ですが…
これは今までの構造体の話とは少し違っている感じですよね。
建物の構造体として木を採用するのは色々な理由がありますが、まずは木という部材が持っている特徴について考えてみる事にしましょう。
・燃えやすい
・軽いが鉄に比べると弱い
・加工やしやすい
・鉄に比べると安価
このような特徴が挙げられます。
もちろん構造体としてきちんとした木を使うので、例えば火事などで柱などが全て燃えてしまうような事はなく、途中で炭化することによってそれ以上は燃えなくなったりはします。
ただ、コンクリートや鉄と比べるとやはり燃えやすいという特徴はあります。
非常に大雑把な表現でくくってしまうと「鉄やコンクリートに比べると部材として弱いが手軽である」という事が言えるでしょう。
建物の構造体が手軽で良いのか? という意見もありますが、建物のプロとして崩壊するような建物は造りませんので、そこは当然大丈夫なのですが…
そうは言っても、木の「燃えやすい」という特徴を考えた時に、建物の構造としてベストな選択と言うのはなかなか難しいものがあるのは事実でしょう。
構造体として鉄と木のどちらが強いのか、という比較をすると、やはりどうしても鉄に軍配が上がってしまいますから。
こうした特徴を持っている為、構造を木造として建てても良い建物の規模には大きな制限がかけられていて、例えば木造で5階建て規模の建物を建てることは出来ません。
一定の規模以上の建物を木で造るのは難しく、厳しく制限されているので、規模の大きなプロジェクトでは最初から構造体の選択肢に入る事は出来ないんです。
これらを総合的に判断していくと、建物の構造体として木造を選択するのは、一般住宅を建てる場合が多くなってくるという事になります。
加工しやすくて安価であるというのは、ある程度規模が小さい傾向にある住宅にとっては非常に大きなメットがあるものですから。
なので、様々な建物を設計したり施工したりする事を業務にしている方にとっては、木造という構造は非常に馴染みが少ない構造だと言えます。
それは今この文章を書いている私にも言える話で、残念ながら私が木造についての詳しい説明をするのはなかなか難しいものがあります。
目指す業務によって木造を覚える優先順位は変わってきますので、それぞれの立場でどこまで木造についての知識が必要になるかをきちんと把握しておくと良いでしょう。
私としては、優先順位はかなり低めという感じになっているので、木造については簡単な説明で終わろうかと考えています。