建物の納まりについての知識をたくさん持っているというのは、設計であれ施工であれ、仕事の引き出しを多く持っているという事を意味しています。
当サイトでは、自分のプロとしての知識や引き出しを増やそうと考えている方に読んで頂き、少しでもその知識を高めることが出来れば、と考えています。
知識が増えると設計や施工での選択肢が広がることに繋がり、自分が出来る仕事のバリエーションも少しずつ増えていく事になります。
そうなると建築の仕事自体が面白く感じるようになって、その結果として責任のある立場になったり、もっと知識が必要な立場になったりという事に。
ただ、自分で会社を経営している方でない限り、他人の二倍働いても収入は二倍にはならないという大きな問題もあります。
そした現実を考えると、自分から納まりを覚えたり知識を増やしたりと、仕事に全力で取り組む事に難しさを感じてしまうかも知れませんが…
それでは仕事が面白くないと思うので、出来る限り自分の知識やスキルを高めて仕事に臨むことを当サイトではお勧めしています。
もちろん仕事に対するスタンスは人それぞれで違っていて当然ですから、それぞれが自分のやり方で仕事に取り組めば良いと思いますが。
ただ、建築関係の仕事をするのであれば、どのような仕事のスタンスなのかに関わらず、納り関係の知識は必要になってくると思います。
関わる業種によって「ないよりはあった方が良い」程度なのか、あるいは「ないと仕事として成立しない」くらいに深刻なのかは変わってきますが、必要なことに変わりはありません。
その為には多彩な納まりパターンをたくさん知っておく事が理想ではありますが、現実問題としてそのパターンは非常に多いので、最初から全部を頭の中に入れるのは難しいところ。
ですから、まずは基本的なパターンを覚えてそこから少しずつ納まりのパターンを増やしていく、というやり方が現実的ではないかと思います。
そうした建物の基本納まりを覚えていく上で非常に重要になってくる要素が、その建物がどのような構造になっているか、という部分です。
建物の構造によって納りの考え方が大きく変わってくる部分もありますので、まずはその建物がどのような構造になっているかを確認しておく事が重要になってきます。
と言うことで、かなり前置きが長くなってしまいましたが、このカテゴリでは建物の構造について幾つかの種類を紹介していきます。
あまり建物の構造は種類として多くはありませんが、それぞれかなり異なる特徴を持っているので、それぞれの特徴をここで覚えることが出来ればと思っています。
まずは「建物の構造とは何か」という話からですが…
建物の構造というのは、建物の骨組みがどのような材料と部材で構成されているか、という意味合いになっています。
どのような構成で建物が建っているのか、という事になる訳ですから、建物にとっては最も基本的な部分になる事は間違いありません。
設計図や施工図など、建物を表現している図面には色々な種類があります。
建物の構造というのは、そうした数ある図面のほぼ全てに影響を与える要素になるので、まず最初に押さえておく必要がある部分だと言えるでしょう。
設計者として建物を設計する際には、「この建物の構造をどれに決めるのがベストなのか」という部分で非常に悩んでしまうかも知れません。
建物の構造によって柱サイズなどの条件が色々と変わってしまい、コストなどが大きく変わってしまう場合もあるので、方針を決めるのは結構大変だと思います。
また、施工者にとっても構造によって施工の進め方は大きく変わってしまう事になるので、当然無視することは出来ません。
と言うことで、このカテゴリではこうした建物の構造について色々と考えていく事にしますが、次回は具体的な構造の種類について考えていきます。